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2019.08.01

少年事件

少年審判における被害者関与制度(被害者等に対する審判状況の説明)とは?

 

本日は,少年審判における被害者関与制度の一つである「被害者等に対する審判状況の説明」について説明いたします。

 

 

1 少年審判における被害者等関与制度創設の経緯

 

平成12年の少年法改正により,①被害者等による記録の閲覧・謄写(少年法第5条の2),②被害者等の申出による意見聴取(少年法第9条の2),③審判結果等の通知(少年法第31条の2)の各制度が新設されました。

 

その後,平成20年の少年法改正により,被害者等による記録の閲覧・謄写の範囲の拡大,被害者等の申出による意見聴取の対象者の拡大,④被害者等による少年審判の傍聴(少年法第22条の4及び5)及び⑤被害者等に対する審判状況の説明(少年法第22条の6)が新設されました。

 

 

2 被害者等に対する審判状況の説明とは

 

被害者等に対する審判状況の説明制度とは,「被害者等」からの申出があった場合,裁判所が「少年の健全な育成を妨げるおそれがなく相当と認めるとき」に,「審判期日における審判の状況」を説明する制度です(少年法第22条の6第1項)。

 

対象となる事件は,犯罪少年,触法少年に係る事件です。虞犯少年に係る事件は,被害者を観念することができないことから対象から除外されていますが,少年審判の傍聴制度のように犯罪の種類による対象事件の限定はありません。

 

「審判期日における審判の状況」とは,具体的には,審判の日時・場所・出席者,非行事実の審理経過,少年や保護者の陳述の要旨,処分結果等になります。一般的には,審判調書の記載に基づき,書記官が口頭により説明することになります。

 

なお,審判の状況の説明を受けた被害者等は,正当な理由がないのに知り得た少年の氏名その他少年の心情に関する事項を漏らしてはならず,かつ,知り得た事項をみだりに用いて,少年の健全な育成を妨げ,関係者の名誉もしくは生活の平穏を害し,又は調査もしくは審判に支障が生じさせる行為をしてはならないとされています(少年法第22条の6第3項・第5条の2第3項)。

 

 

 



 

 

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