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2019.05.31

刑事事件

恩赦とは?

 

本日は,恩赦について簡単に説明いたします。

 

 

1 恩赦とは

 

恩赦とは,行政権により,刑事裁判により刑罰を受けるべき者に対して,その刑罰の効果を失わせ又は軽減させるものです。

 

恩赦は,本人の行状や被害感情の変化に応じて刑の言渡しの効力を緩和することや,誤判の救済,あるいは社会の変化や法令の改廃に合わせた刑罰権の修正という機能があるものの,行政権により一度決まった刑罰を変更させる行為であり,行政権による司法権への干渉を許す制度といえることから,慎重な運用が求められます。

 

 

2 恩赦の種類

 

恩赦の種類は,大赦,特赦,減刑,刑の執行の免除及び復権の5種類です(憲法第73条第7号,恩赦法第1条)。

 

⑴ 大赦

 

大赦は,政令をもって罪の種類を定めて行います(恩赦法第2条)。政令に定められた罪に当たる者に対しては,その政令に別段の定めのない限り,言渡しの効力あるいは公訴権自体を将来に向かって全面的に消滅させるものです(同第3条)。

 

⑵ 特赦

 

特赦は,有罪の言渡しを受け判決の確定した特定の者に対してこれを行うものです(同第4条)。有罪の言渡しの効力について将来に向かって全面的に消滅させる効果をもちます(同第5条)。大赦が一般的なものであるのに対し,特赦は個別的に行われる点が異なります。

 

⑶ 減刑

 

減刑は,政令をもって罪又は刑の種類を定めて行う一般減刑と,特定の者に対して行う個別減刑があります(同第6条)。その効果としては,一般減刑の場合は原則として刑を減軽し(同第7条第1項),個別減刑の場合は,刑を減軽し又は刑の執行を減軽します(同第7条第2項)。

 

⑷ 刑の執行の免除

 

刑の執行の免除は,刑の言渡しを受けた特定の者に対して行うものですが,刑の執行猶予の言渡しを受けていまだ猶予期間を経過しない者に対しては行われません(同第8条)。

 

⑸ 復権

 

復権は,有罪の言渡しを受けたため法令の定めるところによって資格を喪失し,又は停止させられた者に対して,その資格を将来に向かって回復させるものです。その方法としては,政令で一定の要件を定めて一般的に行う場合と,特定の者について個々に行う場合とがあります(同第9条)。なお,復権の効果は,全般的な資格に及ぶ場合と特定の資格のみに限られる場合とがあります(同第10条)。

 

 

 



 

 

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