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2018.08.03

刑事事件

被告人国選弁護制度とは?

 

刑事事件において被疑者・被告人のために弁護活動を行う弁護士のことを「弁護人」と呼びます。この弁護人は「私選弁護人」と「国選弁護人」に分けることができます。

 

本日は,国選弁護人に関する「被告人国選弁護制度」について説明いたします。

 

目次

     

    1 そもそも,国選弁護制度とは

     

    国選弁護制度とは,刑事事件において,被疑者・被告人が貧困などの理由で自らの費用で弁護人を選任することができないときに,国の費用で弁護人を付する制度です。

     

    国選弁護制度には,被疑者段階(起訴前)における「被疑者国選弁護」,被告人段階(起訴後)における「被告人国選弁護」がそれぞれ用意されています(「被疑者国選弁護」については、こちらをご覧ください。)。

     

     

    2 被告人国選弁護制度を利用できる要件

     

    被告人国選弁護には,①必要的弁護事件と②任意的弁護事件があります。

     

    ⑴ 必要的弁護事件

     

    必要的弁護事件とは,法定刑が死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件(刑事訴訟法第289条第1項),公判前整理手続若しくは期日間整理手続に付された事件(同法第316条の29)又は即決裁判手続による事件(同法第350条の9)のことをいい,弁護人がいなければ開廷することができないと定められています。

     

    これらの事件については,後述する資力の有無にかかわらず,裁判所は国選弁護人を付けなければならないとされています(同法第289条第2項,第350条の4)。

     

    ⑵ 任意的弁護事件

     

    任意的弁護事件とは,上記必要的弁護事件以外の事件のことをいいます。任意的弁護事件の場合には,貧困その他の事由により(私選)弁護人を選任することができないとき,裁判所は,被告人の請求により,国選弁護人を付けなければならないとされています(同法第36条本文)。

     

    「貧困」とは,資産が50万円未満であることとされています(刑事訴訟法第36条の2の資産及び同法第36条の3第1項の基準額を定める政令第2条)。

     

    「その他の事由」としては,弁護士会に所属する弁護士の中に弁護人となろうとする者がいない場合や,紹介された弁護士が被告人の弁護人選任申込みを拒絶した場合などが考えられます。

     

    被疑者国選弁護の場合には,その要件として「勾留状が発せられている場合」と定められていましたが,被告人国選弁護の場合には,このような要件はありませんので,身体拘束を受けていない在宅事件についても国選弁護制度を利用することができます。

     

     



     

     

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