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2018.07.20

刑事事件

任意同行は拒否できるか?

 

刑事ドラマ等で刑事が犯人と思われる人に対し「任意で引っ張る」と言って,任意同行を促す場面をよく見かけませんか?

 

任意同行はどの程度の強制力があり,かつ拒否できるのでしょうか?

 

本日は,「任意同行」について説明いたします。

 

 

1 任意同行とは

 

任意同行とは,被疑者の出頭を求める方法の一つであり,捜査機関が具体的な犯罪の捜査で必要があるときに,捜査機関が被疑者の所在する場所に赴き,警察署に同行することを求めることをいいます。捜査機関は,被疑者が同行に応じれば,被疑者を取調べることができます。

 

また,具体的な犯罪の嫌疑はないものの,警察官が職務質問をするために付近の警察署に同行を求めることも任意同行と呼ばれています。具体的には,職務質問が交通の妨害になるか,その場で職務質問することが本人に対して不利な場合などが考えられます(警職法第2条第2項)。

 

前者は具体的な犯罪の嫌疑を前提とした捜査活動であるのに対し,後者は未だ犯罪が行われていない段階,又は犯罪が不特定の段階における犯罪の予防・鎮圧等を目的とする行政警察活動であり,前者と区別して後者を「警職法上の任意同行」と呼ぶこともあります。

 

 

2 任意同行は拒否できるか

 

刑事訴訟法第198条では,「検察官,検察事務官又は司法警察職員は,犯罪の捜査をするについて必要があるときは,被疑者の出頭を求め,これを取り調べることができる。但し,被疑者は,逮捕又は勾留されている場合を除いては,出頭を拒み,又は出頭後,何時でも退去することができる。」と規定されています。

 

また,警職法第2条第3項にも,「刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り,身柄を拘束され,又はその意に反して警察署,派出所若しくは駐在所に連行され,若しくは答弁を強要されることはない。」と規定されています。

 

このように,逮捕又は勾留されている場合を除いて,「出頭を拒み,又は出頭後,何時でも退去することができる。」等と定められていますので,身体拘束を受けていない被疑者は出頭を拒否することはもちろん,出頭後に帰りたいと考えれば途中で退去することもできるのです。

 

したがって,任意同行の求めに応じる義務はありません。

 

ただし,捜査活動として行われる任意同行については,すでに具体的な嫌疑がある状態でなされますので,任意同行を拒否した場合,その態度により逃亡や罪証隠滅のおそれがあると判断され,逮捕につながる可能性があることに注意が必要です。

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