COLUMN

お知らせ

2018.07.02

刑事事件

改正刑事訴訟法 ~協議・合議制度(日本版司法取引)~

 

 

平成30年6月1日より改正刑事訴訟法が一部施行されました。

今回施行された事項は,以下の3つになります。

 

①被疑者国選弁護制度の拡大

②協議・合意制度(日本版司法取引)及び刑事免責制度の導入

③ビデオリンク方式による証人尋問の拡大

 

本日は,②の協議・合意制度(日本版司法取引)について説明いたします。

 

 

1 協議・合意制度(日本版司法取引)とは

 

協議・合意制度(日本版司法取引)とは,被疑者・被告人が,共犯者等の他人の特定の犯罪について一定の協力をすることと引き換えに,検察官が裁量の範囲内で,処分や訴追に関する恩恵を与えることを両者が合意する制度です(刑訴法第350条の2以下)。

 

例えば,被疑者が,共犯者等他人の刑事事件の解明に資する供述をし,証拠を提出するなどの協力行為を行い,検察官が,その協力行為の見返りに,被疑者に有利に考慮して,これを不起訴にしたり,軽い罪で起訴したり,軽い求刑をするなどを内容とする合意がなされることになります。

 

2 対象となる犯罪

 

対象となる「特定犯罪」(刑事訴訟法第350条の2第2項)とは,

①刑法犯

・封印破棄,強制執行妨害罪

・文書偽造等

・贈収賄等

・詐欺,背任,恐喝,横領等

②組織的犯罪処罰法違反

③財政経済犯罪(租税法,独禁法,金融商品取引法の罪など)

④爆発物取締罰則,大麻取締法,覚せい剤取締法,麻薬及び向精神薬取締法,武器等製造法,あへん法,銃刀法,麻薬特例法の罪

⑤上記各特定犯罪を本罪とする犯人隠避,証拠隠滅,証人威迫など

に限定されています。

 

3 制度が設けられた理由

 

協議・合議制度は,主に共犯者の供述を得る手段として設けられましたが,その背景には,被疑者取調べの全過程の録音・録画制度の導入があります。捜査機関側が,この制度によって自白供述を得られにくくなると懸念したため,新たな供述確保の手段として,協議・合議制度の導入を強く求めた結果,今回の法改正によって新設されることになりました。

 

協議・合議制度は,有罪立証に必要な証拠を得るための有効な手段という面を有する反面,共犯者による引込み供述を誘発し,冤罪を引き起こす可能性がある点が問題点として指摘されています。

 

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