COLUMN

お知らせ

2018.06.20

刑事事件

改正刑事訴訟法の施行(日本版司法取引など)について

 

平成30年6月1日より改正刑事訴訟法が一部施行されました。

 

今回施行された事項は,以下の3つになります。

 

①被疑者国選弁護制度の拡大

②協議・合意制度(日本版司法取引)及び刑事免責制度の導入

③ビデオリンク方式による証人尋問の拡大

 

本日は,各事項について簡単に説明いたします。

 

 

1 被疑者国選弁護制度の拡大

 

勾留されている被疑者全てにおいて,国選弁護人を付することが可能となりました。

これまでは,死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件につき勾留されている被疑者についてしか国選弁護人を付すことができませんでしたが,今後は勾留状を発せられているすべての被疑者が国選弁護制度の対象となりました(刑訴法第37条の2,37条の4)。なお,資力において一定の要件はあります。

 

 

2 協議・合意制度(日本版司法取引)及び刑事免責制度の導入

 

協議・合意制度(日本版司法取引)とは,被疑者・被告人が,共犯者等の他人の特定の犯罪について一定の協力をすることと引き換えに,検察官が裁量の範囲内で,処分や訴追に関する恩恵を与えることを両者が合意する制度です(刑訴法第350条の2以下)。

例えば,被疑者が,共犯者等他人の刑事事件の解明に資する供述をし,証拠を提出するなどの協力行為を行い,検察官が,その協力行為の見返りに,被疑者に有利に考慮して,これを不起訴にしたり,軽い罪で起訴したり,軽い求刑をするなどを内容とする合意がなされることになります。

 

刑事免責制度とは,証人が証言をするにあたって自己負罪拒否特権(自己に不利益な供述を強要されることはないとする権利)を失わせ,証言を強制する制度です(刑訴法第157条の2以下)。証人は証言を強制される代わりに,証言そのものや,証言によって得られた派生的証拠について,証人自身の刑事裁判において証拠にはなりません。

 

どちらの制度も虚偽供述による冤罪を引き起こす可能性がある点が問題点として指摘されています。

 

 

3 ビデオリンク方式による証人尋問の拡大

 

これまでのビデオリンク方式による証人尋問の場合,証人がいる場所は,裁判官及び訴訟関係人が在席する場所と同一の構内とされていました。

それが今回の改正により,同一構内に出頭すると,精神の平安を著しく害されるおそれがあるときなどは,同一構内以外の場所に証人を在席させて,ビデオリンク方式による証人尋問を実施することができるとされました(刑訴法157条の6第2項)。なお,同一構内以外の場所としては,他の裁判所が想定されています。

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