COLUMN

お知らせ

2018.12.28

刑事事件

検視とは?

 

捜査の端緒の一つとして,「検視」というものがあります。

 

本日は,「検視」についてご説明いたします。

 

 

1 検視とは

 

検視とは,変死者又は変死の疑いのある死体について,死亡が犯罪に起因するものかどうかを判断するために,死体の状況を検分することをいいます(下記で説明する「行政検視」と区別して,「司法検視」ともいいます。)。

 

条文上は,「変死者又は変死の疑のある死体があるときは,その所在地を管轄する地方検察庁又は区検察庁の検察官は,検視をしなければならない」と定められていますが(刑事訴訟法第229条第1項),多くの場合は,検察官の代わりに司法警察員が検視を行います(同条第2項。「代行検視」といいます。)。このように,検視を担当する警察官のことを,「検視官」と呼びます。ちなみに,検視を行うにあたって,令状は不要とされています。

 

検視の対象となる「変死体」とは,不自然死で犯罪に起因する死亡か不明のもの,又は不自然死の疑いがありかつ犯罪に起因する死亡か不明のものをいいます。

 

これに対し,自然死(病死等)であることが明白な死体や,不自然死であるが犯罪に起因しないことが明白な死体(自殺によるものなど)については,対象となりません。不自然死であるが犯罪に起因しないことが明白な死体については,公衆衛生などの行政上の目的から,いわゆる「行政検視」の対象となる可能性があります。

 

 

2 現行制度の問題点

 

かねてより,現行の検視制度のみでは,犯罪による死亡を見逃すおそれがあるとの指摘が強かったため,死因究明推進法が成立し,検視官の臨場率は向上しているものの,死体の解剖については,必ずしも十分ではないとの指摘があります。

 

平成26年6月には,死因究明等推進計画の閣議決定がなされ,死因究明等の推進を行うための当面の重点施策として,①法医学に関する知見を活用して死因究明を行う専門的な機関の全国的な整備,②法医学に係る教育及び研究の拠点の整備,③死因究明等に係る業務に従事する警察等の職員,医師,歯科医師等の人材の育成及び資質の向上,④警察等における死因究明等の実施体制の充実,⑤死体の検案及び解剖の実施体制の充実,⑥薬物及び毒物に係る検査,死亡時画像診断その他死因究明のための科学的な調査の活用,⑦遺伝子構造の検査,歯牙の調査その他身元確認のための科学的な調査の充実及び身元確認に係るデータベースの整備,⑧死因究明により得られた情報の活用及び遺族等に対する説明の促進が掲げられています。

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