COLUMN

お知らせ

2018.07.10

刑事事件

現住建造物等放火罪とは?


 

岡山南警察署は,現住建造物等放火の疑いで,岡山市に住む男性を逮捕しました。逮捕容疑は,岡山市内の複数の住民が住む木造2階建てアパートに火をつけ,玄関ドアや木製柵など約1平方メートルを焼損させた疑い。男性は「むしゃくしゃしていて火をつけた」と容疑を認めています。

(上記事件はフィクションです。)

 


 

本日は,上記事件をもとに,現住建造物等放火罪について説明いたします。

 

 

1 まずは「放火罪」について

 

「放火」は,不特定・多数の人の生命や身体,財産に対して,火力によって危険を生じさせる罪ですので,刑法中でも比較的重い犯罪です。

放火して逮捕された場合,「現住建造物等放火罪」「非現住建造物等放火罪」「建造物等以外放火罪」のどれかの罪に問われることになります。これらは,放火した対象物により区別されています。

 

各々の罪について簡単に説明しますと,

 

【現住建造物等放火罪とは】

現在人が住んでいる又は生活している建物等に火をつける犯罪のことです。自分1人しか住んでいない建物等に放火した場合は,下記の非現住建造物等放火罪になります。

 

【非現住建造物等放火罪とは】

人が住んでいない建物等に火をつける犯罪のことです。本人の所有物であっても成立する可能性があります。

 

【建造物等以外放火罪】

建造物や,艦船以外の物(自動車など)に火をつける犯罪のことです。本人の所有物であっても成立する可能性があります。

 

現住建造物等放火罪については,未遂も罰せられるとともに(刑法第112条),予備罪も規定されています(刑法第113条)。

 

 

2 現住建造物等放火罪が成立するための要件

 

現住建造物等放火罪が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。

 

①現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物等を

②放火して

③焼損したこと

 

各要件について少し説明しますと,

 

③の“焼損”とは,

火が媒介物(新聞やガソリンなど)を離れ,建物が独立して燃焼を継続しうる状態に達したことをいい,その主要部分が棄損されたり,効用が害されたりすることまでは必要ないとされています。

 

 

今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,

 

①現に人が住んでいる木造アパートに

②放火して

③玄関ドア等を焼損させた

 

このように①~③の要件にすべて当てはまるため,現住建造物等放火罪が成立すると考えられます。

 

3 現住建造物等放火罪の法定刑及び公訴時効

 

現住建造物等放火罪の法定刑は,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役と定められています(刑法第108条)。

法定刑として,死刑又は無期の懲役が定められていますので,裁判員裁判対象事件となります(裁判員法第2条第1項第1号)。

 

公訴時効は,25年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第1号)。

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