COLUMN

お知らせ

2020.04.01

刑事事件

略式命令に対する正式裁判の請求とは?

 

捜査機関による捜査が終了すると,検察官は当該刑事事件についてどのような処分とするかの判断をします。検察官による処分の一つとして,「略式命令請求(略式起訴)」というものがあります。

 

本日は,「略式命令に対する正式裁判の請求」について説明いたします。

 

 

1 そもそも,略式命令請求とは

 

略式命令請求とは,検察官による公訴提起の際に,通常の公判手続ではなく,簡略化された手続を求める場合をいいます。

 

略式命令請求により行われる手続(略式手続)では,被告人は裁判所に出廷することなく,検察官が提出した書面審理のみで,一定額以下の罰金又は科料の刑を科する裁判が行われることになります。

 

被告人にとっては公開の法廷への出頭などの負担がなく,刑事司法を担当する検察庁や裁判所の人的・物的負担の軽減にもなることから,実務上,多くの事件が略式命令請求(略式起訴)によって処理されています。

 

 

2 略式命令に対する正式裁判の請求

 

以上のとおり,略式手続は,被告人にとってメリットがあるものですが,略式命令を受けた被告人は,その告知を受けた日から14日以内に正式裁判の請求をすることができます(刑事訴訟法第465条第1項)。また,被告人の弁護人,法定代理人,保佐人も,被告人の明示の意思に反しない限り被告人のために正式裁判を請求することができます(同法第467条,353条,355条,356条)。

 

正式裁判の請求は,略式命令をした裁判所に書面でしなければなりません(同法第465条第2項)。なお,正式裁判の請求は,第一審の判決があるまで取下げることができます(同法第466条)。

 

正式裁判の請求があった場合,裁判所は,速やかにその旨を検察官に通知するとともに,証拠書類及び証拠物を検察官に返還しなければなりません(同法第465条第2項,同法規則第293条)。これは,起訴状一本主義の原則に戻るためです。したがって,略式命令をした裁判官は,正式裁判に関与することはできません(同法第20条第7号)。

 

正式裁判の請求が適法であった場合,事件は通常の公判手続に移行し,起訴状朗読から審理が開始されることになります(同法第468条第2項)。なお,正式裁判の結果,有罪判決となった場合,その量刑が略式命令のときのそれよりも重いこともあり得ます(同法第468条第3項)。

 

Copyright (C) 2018 はれのくに法律事務所 All Rights Reserved.