COLUMN

お知らせ

2018.12.13

刑事事件

秘密漏示罪とは?

 


 

岡山西警察署は,岡山市在住の男性医師を秘密漏示罪で逮捕しました。逮捕容疑は,業務上知り得た16歳の患者の刑事事件に関する情報を,知人に漏らしたというもの。

(上記事件は,フィクションです。)

 


 

本日は,上記事件をもとに,秘密漏示罪について簡単に説明いたします。

 

 

1 秘密漏示罪とは

 

秘密漏示罪とは,所定の職業に従事する(していた)者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らすという犯罪です。

 

 

2 秘密漏示罪が成立するための要件

 

秘密漏示罪が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。

 

①医師,薬剤師,医薬品販売業者,助産師,弁護士,弁護人,公証人又はこれらの職にあった者(刑法第134条第1項),宗教,祈祷もしくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者(同法第134条第2項)が,

②その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を

③正当な理由がないのに

④漏らしたこと

 

各要件をもう少し詳しく説明しますと,

 

①について,

本罪は①に列挙された者のみが行為の主体となる構成的身分犯です。

これらの主体に限定されている根拠は,職業の性質上人の秘密に接する機会が多く,個人的な秘密を知ることによって治療等のサービスが可能になることから,秘密を告知する者に対する関係では被害者の秘密を保持する必要性があるという点にあります。

 

②の“秘密”とは,

一般的に知られていない非公知の事実であって,他人に知られないことが本人にとって利益であると認められる事実をいいます。

 

④の“漏らす”とは,

秘密を,それを知らない者に告知することをいいます。その告知方法は問わず,また,公然と告知することを要しません。不作為による漏示も可能であり,たとえば,秘密を記載した書面を放置して,他人がそれを読むのにまかせておくような場合などがこれにあたります。

また,他言を禁じて一人に告知する場合も漏示にあたります。

 

 

今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,

 

①医師が

②業務上知り得た未成年の患者の刑事事件に関する事実(秘密)を

③正当な理由なしに

④他人に告知した

 

このように①~④の要件にすべて当てはまるため,秘密漏示罪が成立すると考えられます。

 

 

3 秘密漏示罪の法定刑及び時効

 

秘密漏示罪の法定刑は,6月以下の懲役又は10万円以下の罰金と定められています(刑法第134条)。

 

秘密漏示罪の公訴時効は,3年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第6号)。

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