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2018.07.27

刑事事件

逮捕の種類とは?

 

刑事事件があった場合,ニュースなどで「被疑者を通常逮捕しました」,「現行犯逮捕しました」という言葉を聞いたことがあると思いますが,それぞれどのような違いがあるのでしょうか?

 

本日は,「逮捕」の種類について説明いたします。

 

 

1 逮捕とは

 

逮捕とは,被疑者の身体を拘束し,引き続き短時間の拘束を続ける強制処分のことをいいます。

 

捜査機関から罪を犯したと疑われている者(被疑者)だからといって,すべての被疑者が逮捕されるわけではありません。逮捕するための要件を満たしていない被疑者に対しては,在宅事件として捜査が進められます(「在宅事件」についてはこちらをご覧ください。)。

 

 

2 逮捕の種類

 

そして,逮捕には,

 

①通常逮捕

②緊急逮捕

③現行犯逮捕の

 

3種類があります。

 

⑴ 通常逮捕

 

通常逮捕とは,裁判官があらかじめ発する逮捕状による逮捕のことです。

 

裁判所は「被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」(特定の犯罪行為を行ったという客観的かつ合理的な嫌疑があるということ)があり,逮捕することが必要だと認めた場合に逮捕状を発します(刑事訴訟法第199条)。

 

日本国憲法第33条には,「何人も現行犯として逮捕される場合を除いては,権限を有する司法官憲が発し,且つ理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ逮捕されない」と規定されており,すべての人の身体の自由を守るために,原則として,裁判所が発した逮捕状がなければ逮捕されないという令状主義を定めています。

 

したがって,この逮捕状による通常逮捕が逮捕の原則となります。

 

⑵ 緊急逮捕

 

緊急逮捕とは,比較的重い犯罪について,罪を犯したことを疑う充分な理由がある場合で,急速を要するときに,逮捕状がない状態で逮捕することをいいます(刑事訴訟法第210条)。

 

緊急逮捕を行う時点においては,逮捕状を必要としていませんが,緊急逮捕後は,ただちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならず,結果的に逮捕状が出ない場合は,被疑者を釈放しなければいけません。

 

⑶ 現行犯逮捕

 

現行犯逮捕とは,(逮捕状がない状態で)現行犯人を逮捕することです。現行犯人とは,現に罪を行っている,又は現に罪を行い終わった者をいいます(刑事訴訟法第212条第1項)。

 

現行犯人については,類型的に,裁判官による審査・判断を経るまでもなく被疑者の身体を拘束する正当な理由が明白であり,不当不合理な人権侵害の危険が乏しいため,裁判官の審査(逮捕状)を不要としています(憲法第33条にも,「現行犯として逮捕される場合を除いては」と規定して,現行犯逮捕は令状による必要はないことを例外として認めています。)。

 

したがって,緊急逮捕と異なり,逮捕後,改めて逮捕状の請求をする必要はありません。

 

また,一定の要件を満たす者を「現行犯人とみなして」逮捕することを準現行犯逮捕といいます(刑事訴訟法第212条第2項)。

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