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2020.06.15

少年事件

少年事件における全件送致主義とは?

 

本日は,少年事件における「全件送致主義」について説明いたします。

 

目次

     

    1 そもそも「少年」,「少年事件」とは

     

    少年法では,20歳未満の者を「少年」といい,この「少年」が刑罰法令に触れる行為をしたことを「少年事件」といいます。

     

    少年事件では,刑事事件に関する手続きを定めた刑事訴訟法のほか,少年法が適用されることになります。

     

    少年事件は,刑事事件の一分野ではあるものの,少年法の適用により,成人の刑事事件とは異なる点が数多く存在します。下記で説明する全件送致主義もその1つです。

     

     

    2 全件送致主義とは

     

    捜査機関(警察官・検察官)は,被害届等により刑罰法令に触れる行為が行われたことを知った場合には,行われた犯罪の内容や犯人が誰であるかなどの捜査を行います。

     

    そして,捜査機関による捜査が終了すると,捜査機関(警察官・検察官)は当該事件についてどのような処分とするかの判断をしますが,少年事件の場合,捜査機関が捜査を遂げた結果,少年が罪を犯したと判断した場合,すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません(少年法第41条,42条:全件送致主義)。

     

    これに対し,成人による刑事事件であれば,捜査機関(警察官・検察官)が罪を犯したと判断しても,裁判所に記録が送られることなく,警察段階・検察段階で手続きが終了することがあります(微罪処分,起訴猶予)。

     

    全件送致主義が採られているのは,少年事件においては,科学的な調査機構を持つ家庭裁判所が専門的に少年の処遇を選択するのが相当であるからといわれています。

     

    なお,交通反則制度が適用される行為については,反則金が納付された場合,反則者が少年であっても,家庭裁判所の審判に付されることはありません(道路交通法第128条第2項)。道路交通法違反事件は数が多いことから,そのうち,危険性が少ないものや,悪質でないものについては,行政手続により処理する必要性・合理性が認められることから,全件送致主義の例外として定められています。

     

     



     

     

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