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2022.12.15

刑事事件

論告・求刑とは?

 

刑事事件のニュース等で、「本日の裁判では、検察官による論告が行われる予定です。」「検察官は懲役○年を求刑しました。」などと報じられることがありますが、「論告」「求刑」とはどのようなものでしょうか。

 

本日は、「論告・求刑」について説明いたします。

 

目次

     

    1 論告とは

     

     

    刑事裁判が進み、すべての証拠調べが終わると、検察官は論告を行います。

     

    論告とは、検察官が、事実及び法律の適用について意見を陳述することです。

     

    実務上、検察官は、

    ①取り調べられた証拠に基づいて公訴事実が認定できること

    ②情状に関すること

    ③刑罰法令の適用に関すること

    の順序で意見を述べることが多いと思われます。

     

    取り調べられた証拠に基づく公訴事実の認定についての意見としては、特に争いのない事件においては、「本件公訴事実は、当公判廷において取調べ済みの関係各証拠により、その証明は十分である」などと述べられるのに対し、争いのある事件においては、証拠の証明力に関する意見や、事実の証明に至る推論の過程に関する意見はもちろん、被告人の主張に対する反論についても行います。

     

    そして、情状についての意見については、この後に述べる「求刑」の根拠を明らかにするため、犯行の動機・手段・方法、被害の程度、犯罪後の事情などについて述べることになります。

     

    最後に、刑罰法令の適用については、特に法令の解釈に争いがある場合を除いて、「相当法条適用の上」と述べられるのが通常です。

     

     

    2 求刑とは

     

    上記のとおり、論告は、事実及び法律の適用について意見を陳述するものですが、その際、併せて科すべき具体的な刑罰の種類及びその量について言及するのが慣行であり、このような検察官の意見を求刑といいます。

     

    例えば、「被告人を懲役3年に処するのを相当と思料する」などと述べられることになります。

     

    求刑は、事件にする検察官の最終的な評価であり、法的には裁判所を拘束するものではありませんので、裁判所は検察官の求刑より軽くすることはもちろん、重くすることもできます。

     

     



     

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