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お知らせ

2018.06.12

釈放・保釈してほしい(逮捕・勾留されたくない)

1 はじめに

被疑者・被告人(罪を犯したと疑われている人)が逮捕・勾留されて警察などの留置場で身体を拘束され続けた場合,さまざまなデメリットが生じます。日常生活から隔離されてしまうため,会社を解雇されたり,学校を退学させられたりすることで,家族全員の経済的基盤が失われてしまうなどの可能性もあります。また,家族との面会も制限され,警察署の留置場という極限的な環境の中で,精神的に追い込まれ事実と異なる自白をしてしまうおそれもあります。

弁護士に依頼し,検察官や裁判官に対して釈放に向けた活動をしてもらうことにより,身体を拘束されてしまった被疑者・被告人が一日も早く解放され,日常生活を取り戻せる可能性を高めることができます。

以下,逮捕・勾留について簡単に説明するとともに,釈放・保釈する方法について説明いたします。


2 逮捕・勾留について

⑴ 逮捕・勾留とは

逮捕・勾留はいずれも,被疑者・被告人の身体の自由を奪い,身体拘束の状態を続ける処分といえます。
逮捕・勾留を行うためには,基本的に,

①被疑者・被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由
②逃亡のおそれ又は罪証隠滅のおそれがあること
③逮捕・勾留に伴う利益と不利益を比較考量して、逮捕・勾留が相当であること

が必要であると考えられます。

⑵ 逮捕・勾留の流れ

一般的な逮捕手続の場合,逮捕されると,警察官は逮捕後48時間以内に,被疑者の身柄を検察官へ送致します。

警察官からの送致後,検察官が今後も身柄拘束の必要があると判断した場合,検察官は送致を受けてから24時間以内に,裁判所に対して,勾留(10日間の身柄拘束)請求することになります。
検察官による勾留請求がなされると,裁判官が勾留を許可するか否かの決定をします。裁判官も身柄拘束の必要があると判断した場合には,勾留決定がなされます。
勾留決定がなされると,その日から10日間の身体拘束が決定し,その間,捜査機関(警察官・検察官)は,被疑者に対する取調べ等の捜査を行います。10日の間に捜査が終了しなかった場合には,検察官は勾留延長請求をし,裁判官も勾留の延長が必要であると判断した場合には,勾留の延長(最大10日間)がなされます。

捜査の結果,検察官が,公判請求が相当であると判断し起訴されると,勾留が継続し,公判(裁判)が終了するまで身体拘束が続くことになります(これを「被告人勾留」といいます。)。


3 釈放・保釈する方法(逮捕・勾留から解放する方法)

釈放・保釈する方法は,捜査段階と公判(裁判)段階において,それぞれその内容が変わりますので,以下,捜査段階と公判(裁判)段階に分けて説明いたします。

⑴ 捜査段階
ア 検察官・裁判官に対する働きかけ

当該事件について勾留の必要性がない旨の意見書を提出する等して,検察官が勾留請求しないよう,裁判官が勾留決定しないよう,検察官・裁判官に対して働きかけます。
勾留の必要性がないことを検察官・裁判官に説得するためには,豊富な資料が必要です。具体的には,被疑者が反省していることや,身元引受をしてくれる家族がいること,仕事に復帰する必要があること,被害者と示談が成立していることを示す資料を集め,検察官・裁判官を説得することになります。

イ 勾留決定に対する各種不服申立て

勾留の必要性がないにもかかわらず勾留されてしまった場合でも,早期に勾留からの解放を目指す方法があります。
まずは,当該勾留に対する不服申立てを行い,改めて勾留の必要性がないことを主張することにより,一度なされた勾留決定が取り消されるように働きかけます。
また,勾留決定後の事情の変化(被害者との示談締結等)により,勾留の必要性が無くなった場合には,勾留取消請求を行い,勾留からの解放を目指していきます。

ウ 公判請求・即決裁判の回避による釈放

捜査の結果,検察官が公判請求・即決裁判をすると,引き続き勾留が継続することになりますが,公判請求・即決裁判以外の処分(不起訴,略式起訴等)であれば,基本的にその段階で,身体拘束から解放されることになります。
そこで,弁護人(弁護士)としては,公判請求等の重たい処分ではなく,不起訴や略式起訴などの処分をするように検察官を説得することになります。

⑵ 公判(裁判)段階
ア 保釈請求

公判段階における身体拘束からの解放手段として広く利用されているのは,保釈請求です。
保釈とは,保釈保証金(保釈金)の納付を条件として住居等の制限のもとに被告人の身体拘束を解く釈放制度です。
なお,保釈は公判(裁判)段階にのみ認められた制度ですので,捜査段階では保釈請求をすることはできません。
保釈保証金は,一般的には150万円から300万円程度となる場合が多いですが,具体的には,犯罪の内容や,勾留を受けている方の経済状態などによって裁判官が金額を決定することになります。
本人が保釈後に逃亡したり,裁判所の定めた条件に違反したりした場合は,保釈金は没収されます。違反がなければ,預けた保釈金は判決が出た後に全額返還されます。

イ 勾留決定に対する各種不服申立て

公判(裁判)段階においても,保釈保証金の納付を条件とせずとも勾留自体の必要性がないと判断される場合には,勾留に対する不服申立てをすることにより,勾留からの解放を目指すこともできます。

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