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お知らせ
2018.06.13
執行猶予にしてほしい(刑務所に行きたくない)
1 執行猶予とは
執行猶予とは,有罪判決に基づく刑の執行を一定期間猶予し,その間に罪を犯さなかったときは,刑の言渡しがなかったのと同様の効果を生じさせる制度です。
例えば,“懲役3年,執行猶予5年”という判決が言い渡されたとすると,“ひとまず一般の社会で生活させて,5年間罪を犯さなければ,3年間刑務所に行く必要はなくなる”ということになります。
以下,執行猶予の種類について簡単に説明するとともに,執行猶予を獲得する方法について説明いたします。
2 執行猶予判決の種類
⑴ 全部執行猶予
全部執行猶予とは,言い渡された刑のすべてが猶予される制度になります。上記の例の通り,“懲役3年,執行猶予5年”という判決であれば,言い渡された“懲役3年”のすべてが5年間猶予されることになり,5年間無事に生活することができれば,刑務所に行く必要はなくなります。
⑵ 一部執行猶予
これに対して,一部執行猶予とは,言い渡された刑の一部が猶予される制度のことをいいます。例えば,“懲役2年,その刑の一部である懲役4月の執行を3年間猶予する”という判決が言い渡されたとすると,まず猶予されなかった期間(1年8か月)を実際に服役し,その服役が終わると,懲役4か月については執行が猶予されることになります。したがって,猶予期間である3年間を無事に生活することができれば,懲役4ヶ月の部分は執行されないことになるというものです。
このように,一部執行猶予の場合は,一定期間刑務所に収容されることになりますので,実刑判決の一種ともいえます。
3 執行猶予を獲得するためには
具体的な事件によっては,執行猶予か実刑かの判断が極めて難しい場合,すなわち弁護活動の内容により執行猶予が付く場合もあれば,実刑判決となってしまう場合もあるところ,執行猶予を獲得するためには,対象となる事件であることを前提に,執行猶予が適当な事案であると裁判官に判断してもらうことが必要です。
具体的には,犯罪そのものに関する事情として,
①結果が重大ではないこと
②行為が悪質ではないこと
などを裁判官に主張していきます。
また,事件後の事情として,
①本人が真摯に反省していること
②示談が成立していること
③家族によるサポートが整っていること
などを裁判官に主張することも重要となります。
4 執行猶予の注意点(執行猶予の取消し)について
執行猶予がついて社会復帰したとしても,新たに罪を犯したりすれば執行猶予が取消されてしまう場合があることに注意が必要です。
執行猶予が必ず取り消されてしまう場合として,執行猶予期間中に別の刑事事件について,懲役・禁固刑の実刑判決を受けたときなどがあります。また,執行猶予が取り消されてしまう可能性がある場合として,執行猶予期間中に別の刑事事件について罰金の処分を受けたときなどがあります。
したがって,執行猶予判決を得て社会に復帰した後は,二度と犯罪をしないようにすることはもちろんのこと,交通事故などの過失に基づく犯罪も起こさないように注意して生活することが必要となります。
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