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2018.05.31

刑事事件

「過失運転致死傷罪」と「危険運転致死傷罪」との違いは?

 

「過失運転致死傷罪」と「危険運転致死傷罪」という罪名は,どちらも自動車事故で相手に怪我をさせてしまったり,死亡させてしまったりした場合に適用される犯罪になりますが,似たような罪名なので,違いが分かりにくいかと思います。

 

本日は,「過失運転致死傷罪」と「危険運転致死傷罪」との違いを説明いたします。

 

 

1 過失運転致死傷罪とは

 

過失運転致死傷罪とは,自動車の運転上必要な注意を怠り(不注意により),人を死傷させた場合に成立する犯罪のことをいいます。

 

罰則は,7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万万円以下の罰金(自動車運転死傷行為処罰法第5条本文)と定められています。

 

 

2 危険運転致死傷罪とは

 

危険運転致死傷罪とは,上述した単純な不注意ではなく,飲酒,無免許運転など故意に基づく危険な運転により,相手を死傷させた場合に成立する犯罪のことをいいます。

 

罰則は,死亡させた場合は1年以下の有期懲役,けがを負わせた場合は15年以下の懲役と定められています(自動車運転死傷行為処罰法第2条)。

 

かつては交通事故を起こした場合,刑法の業務上過失致死傷罪(刑法第211条)で処罰されていましたが,「飲酒運転など極めて悪質な交通事故を起こしているにもかかわらず,法定刑が5年以下の懲役・禁錮または50万円以下の罰金とされているのは,相当ではない」との強い批判が起こり,平成13年、業務上過失致傷罪よりも刑罰を重くした”危険運転致死傷罪”が刑法に規定されました。

その後,刑法とは別の法律として,”自動車運転死傷行為処罰法”という法律が制定され,過失運転致死傷罪,危険運転致死傷罪がそれぞれ規定されることになりました。

 

 

3 危険な運転とは

 

法律(自動車運転死傷行為処罰法)では,主に以下の7つの運転行為を危険な運転として規定しています。

①酩酊運転,薬物運

②制御困難(高速度)運転

③未熟運転(無免許,ペーパー)

④妨害運転(あおり,割り込み,幅寄せ,進路変更)

⑤信号無視運転

⑥通行禁止道路運転

⑦病気運転

 

 

4 最後に

 

危険運転致死傷罪は非常に重い罪であるため,危険運転致死傷罪として捜査される刑事事件においては,逮捕・勾留といった身体拘束がなされやすいとともに正式な裁判にかけられる可能性も高いといえます(死亡事故であれば,裁判員裁判となり,長期の実刑判決となる可能性もあります。)。

 

したがって,身体拘束からの早期解放や,示談交渉といった弁護士による活動の必要性が高い類型ということができます。

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