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2019.12.01

刑事事件

仮釈放(懲役・禁固受刑者に対する仮釈放)とは?

 

本日は,「仮釈放(懲役・禁固受刑者に対する仮釈放)」について説明いたします。

 

 

1 仮釈放とは

 

仮釈放とは,矯正施設に収容されている者を,収容期間の満了前に仮に釈放して社会復帰の機会を与える措置であり,釈放後に条件違反等があったときは,仮釈放の処分を取り消して再び施設に収容するという心理的な強制によって,社会復帰を意図する制度です。

 

仮釈放には,

⑴懲役・禁固受刑者に対する仮釈放

⑵拘留又は労役場留置中の者に対する仮出場

⑶少年院収容中の者に対する仮退院

⑷婦人補導員収容中の者に対する仮退院

の4種類が定められています。

 

 

2 懲役・禁固受刑者に対する仮釈放とは

 

法律上は,懲役または禁錮に処せられた者に,改悛の情があるときは,有期刑についてはその刑期の3分の1,無期刑については10年を経過した後,行政官庁の処分によって仮に釈放を許すことができると定められています(刑法第28条)。

 

もっとも,実際の有期刑仮釈放者の刑の執行率を見てみると,刑期の80%以上を経過して初めて仮釈放が認められた受刑者は約78.9%にも上ります(平成30年度保護統計年報参照)。また,無期刑仮釈放者については,1789名の無期刑受刑者のうち,仮釈放が認められた無期刑新仮釈放者は7人であり,それらの者の平均受刑在所期間は31年6月となっています(「無期刑の執行状況及び無期刑受刑者にかかる仮釈放の運用状況について」令和元年12月更新参照)。

 

以上のとおり,有期刑仮釈放及び無期刑仮釈放のどちらも法律上の要件と実態がかけ離れた状況にあるといえます。

 

なお,法は「改悛の情」の有無を判断する基準として,「悔悟の情及び改善更生の意欲があり,再び犯罪をするおそれがなく,かつ,保護観察に付することが改善更生のために相当であると認めるときにするものとする。ただし,社会の感情がこれを是認すると認められないときは,この限りでない。」と定めています(犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則第28条)。

 

そして,仮釈放を許された者に対しては,必ず保護観察が付されることになり,無事に仮釈放期間(残刑期間)が経過したときは,刑の執行は終了することになります。

 

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