COLUMN
お知らせ
2018.08.27
少年事件
児童自立支援施設又は児童養護施設送致とは?
少年事件における少年に対する保護処分の1つとして,「児童自立支援施設又は児童養護施設送致」というものがあります。
本日は,「児童自立支援施設又は児童養護施設送致」について説明いたします。
1 児童自立支援施設又は児童養護施設送致とは
児童自立支援施設又は児童養護施設送致とは,児童福祉法上の支援を行うことを目的として,要保護児童を開放施設に収容する保護処分です。
児童自立支援施設又は児童養護施設送致は,少年院送致と同様に少年を施設に収容する処分ですが,児童自立支援施設又は児童養護施設は,原則として少年は自由で開放的な環境の中で訓練・指導を受けることができます。
したがって,児童自立支援施設又は児童養護施設に収容される少年は,原則として施錠された部屋に入れられることはなく,施設の周辺の門扉も施錠されていません(開放処遇の原則)。
2 児童自立支援施設とは
児童自立支援施設とは,不良行為をなし,又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ,又は保護者の下から通わせて,個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い,その自立を支援し,併せて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設です(児童福祉法第44条)。
児童自立支援施設では,職員である実夫婦とその家族が小舎に住み込んで,家庭的な雰囲気の中で児童に対して継続的な支援を行う小舎夫婦制を基本とし,自由で開放的な環境の中での訓育をはじめとし,生活指導,学科指導,職業指導などが行われます。
児童自立支援施設送致が選択される少年は,年齢が中学生相当の少年で,少年自身の非行性はそれほど進んでいないものの,家庭環境等に問題がある少年です。
3 児童養護施設とは
児童養護施設とは,保護者のない児童,虐待されている児童,その他環境上養護を要する児童を入所させて,これを養護し,併せて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設です(児童福祉法第41条)。
児童養護施設では,児童指導員又は保母が,児童と起居を共にし,その間に生活指導員が,社会の健全な一員となるような生活指導を行い,職業指導員が,児童の適性に応じて,将来独立の生計を営むことができるように職業指導を行っています。
児童養護施設送致が選択される場合については,そもそも,児童養護施設は,要保護児童のための施設であって,非行性のある児童に対する特別な処遇を行うことが困難であることが多いため,実務上,家庭裁判所による保護処分として選択されることは非常に少ないとされています。
~葵綜合法律事務所について~
葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。
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