COLUMN

お知らせ

2018.06.10

刑事事件

公務執行妨害罪とは?

 


 

岡山中央警察署は,路上で職務質問をした男性巡査部長の顔を殴ったとして,公務執行妨害の疑いで,容疑者を現行犯逮捕しました。逮捕容疑は,路上で男性巡査部長の顔を殴る暴行を加え,職務を妨害したというもの。容疑者は「事実に間違いありません。」と容疑を認めています。

(上記事件はフィクションです。)

 


 

本日は,上記刑事事件をもとに,公務執行妨害罪について簡単に説明いたします。

 

 

1 公務執行妨害罪とは

 

公務執行妨害罪は,公務員が職務を執行するに当たり,これに対して暴行又は脅迫を加えた場合に成立する犯罪になります。

 

 

2 公務執行妨害罪が成立するための要件

 

公務執行妨害罪が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。

 

①公務員が職務を執行するにあたり

②これに対して暴行又は脅迫を加えたこと

 

各要件について少し説明しますと,

 

まず①の“公務員”とは,

「国又は地方公共団体の職員」「その他法令により公務に従事する職員,委員その他の職員」をいい(刑法第7条第1項),具体的には,警察官のほか,消防隊員,自衛隊員,役所に勤める職員,公立学校の教員等がそれに当たります。

 

そして②の“暴行”とは,

公務員の身体に対して直接加えられたものだけではなく,その補助者や物に対して加えられることによって,間接的に公務員に物理的・心理的に影響を与えるようなものでも構わないとされています。

例えば,

・執行官の補助者として執行官の指示に従い家財道具を屋外に搬出中の者に対する暴行(最判昭41・3・24)

・税務署員が差し押さえた密造酒入りの瓶を割って内容物を流出させる行為(最判昭33・10・14)

・逮捕現場で警察官が押収した覚せい剤入りアンプルを足で踏みつけて破壊する行為(裁決昭32・8・27)

等があげられます。

 

今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,

 

①男性巡査部長(公務員)が職務質問という職務を執行した時に

②顔を殴るといった男性巡査長に対する直接の暴行を加えた

 

このように①~②の要件にすべて当てはまるため,公務執行妨害罪が成立すると考えられます。

 

 

3 公務執行妨害罪の法定刑及び時効

 

公務執行妨害罪の法定刑は,3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金と定められています(刑法第95条第1項)。

 

公務執行妨害罪の公訴時効は,3年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第6号)。

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