COLUMN

お知らせ

2018.06.29

刑事事件

名誉毀損罪とは?


 

岡山北警察署は,岡山市の男性を名誉毀損の疑いで逮捕しました。逮捕容疑は,勤務先の会社に対し,男性がネット掲示板で約5000回も中傷したというもの。会社側は事実無根として,男性を告訴していました。

(上記事件はフィクションです。)

 


 

本日は,上記刑事事件をもとに,名誉毀損罪について簡単に説明いたします。

 

なお,名誉毀損には大きく分けて民事事件(損害賠償責任)としての名誉毀損と,刑事事件としての名誉毀損罪がありますが,本日は刑事事件としての名誉毀損罪を説明いたします。

 

 

1 名誉棄損罪とは

 

名誉棄損罪とは,不特定又は多数の人に向けて,他人の名誉を傷つけた場合に成立する犯罪です。

 

また,名誉棄損罪は,親告罪といって,告訴がなければ起訴することができません(刑法第232条第1項)。

 

 

2 名誉毀損罪が成立するための要件

 

名誉毀損罪が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。

 

①公然と事実を適示して

②人の名誉を

③毀損したこと

 

各要件について少し説明しますと,

 

①の“公然と”とは,

不特定又は多数の者が認識できる状態を指します。例えば,公衆数名が居合わせた裁判所の公衆控室で他人の悪事を口外した事案について,公然性が認められています(大判昭6・10・19)。

 

 

①の“事実を適示して”とは,

人の社会的評価を低下させるに足りる具体的な事実を表示することを指します。また“事実”ついては,内容の真偽は問いませんので,適示した事実が真実であっても名誉棄損罪が成立する可能性があります。

 

②の“名誉”とは,

人に対して社会が与える評価(社会的評価)としての名誉(外部的名誉)であり,個々人が持つ自身の名誉感情(内部的名誉)ではありません。

また“人”には,法人や団体も含まれます。

 

③の“毀損する”とは,

人の社会的評価を低下させるおそれのある状態が発生すればよく,実際に社会的評価が害されることは必要ありません。

 

今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,

 

①ネット掲示板という不特定多数の人が閲覧できる場所で,会社を中傷するような事実を表示して

②会社の社会的評価を

③低下させるおそれのある状態が発生したこと

 

このように①~③の要件にすべて当てはまるため,名誉毀損罪が成立すると考えられます。

 

 

3 名誉棄損罪の法定刑及び時効

 

名誉毀損罪の法定刑は,3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金と定められています(刑法第230条第1項)。

 

名誉棄損罪の公訴時効は,3年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第6号)。

 

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