COLUMN

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2018.07.18

刑事事件

器物損壊罪とは?

 


 

岡山西警察署は,器物損壊容疑で岡山市の男性会社員を逮捕しました。逮捕容疑は,岡山市の飲食店前に置かれた看板を壊したというもの。

(上記事件は,フィクションです。)

 


 

本日は,上記事件をもとに,器物損壊罪について簡単に説明いたします。

 

 

1 器物損壊罪とは

 

器物損壊罪とは,他人の物を損壊または傷害した場合に成立します。

 

器物損壊罪は,親告罪に当たります(刑法第264条)。親告罪については,こちらをご覧ください。

 

 

2 器物損壊罪が成立するための要件

 

器物損壊罪が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。

 

①他人の物を

②損壊し,又は傷害した

 

各要件について少し説明しますと,

 

①の“他人の物”とは

 

公用文書等毀棄罪,私用文書等毀棄罪,建造物等損壊罪の客体以外のすべての物が当てはまります。航空機,汽車,電車,自動車等の乗物などの動産のほか,不動産も含まれます。また,動植物をも含みます。

 

 

②の“損壊”とは,

物の効用を害する一切の行為を指します。物理的破壊に限定されません。

物の効用を侵害して損壊に当たるとされた例として,

・食器に放尿する行為(大判明42・4・16)

・歌碑にペンキやパテを塗り付ける行為(札幌高判昭50・6・10)

・盗難および火災予防のため増設貯蔵されているガソリン入りドラム缶を発掘する行為(最判昭25・4・21)

・施設の塀に赤色スプレーで落書きをする行為(福岡高判昭56・3・26)

などがあります。

 

②の“傷害”とは,

動物に対する損壊のことであり,動物を殺傷したり,逃がしたりすることをいいます。

また,隠匿したりする場合も含みます。

 

今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,

 

①飲食店の店主が所有する看板を

②物理的に破壊し,その効用を害した

 

このように①~②の要件にすべて当てはまるため,器物損壊罪が成立すると考えられます。

 

 

3 器物損壊罪の法定刑と公訴時効

 

器物損壊罪の法定刑は,3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料と定められています(刑法第261条)。

 

器物損壊罪の公訴時効は3年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第6号)。

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