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2018.06.26

少年事件

少年鑑別所とは?

 

少年鑑別所と聞くと,同じイメージの言葉「少年院」も浮かぶのではないでしょうか?

罪を犯した少年を拘束するような場所のイメージがあるかと思いますが,「少年鑑別所」と「少年院」は違います。

 

本日は「少年鑑別所」について説明いたします。

 

 

1 少年鑑別所とは

 

少年鑑別所とは,家庭裁判所の少年審判を開くために,非行を犯した少年を収容し,どのような処分が適切かを判断するための材料を集めたり,調べたりする施設です。

 

少年事件では,捜査機関は一定の嫌疑がある限り,原則としてすべての事件を家庭裁判所に送致します。そして,捜査段階において逮捕・勾留されていた事件が家庭裁判所へ送致されると,通常,少年の身体拘束は少年鑑別所での観護措置という形で行われることとなります。

 

少年鑑別所では,事件を起こしてしまった動機や,少年の性格や更生するために必要なことを,医学・心理学・社会学・教育学・人間科学などの専門知識の観点から観察し,少年に対する処分としてどのようなものが適切なのかを調査します(このことを,「心身の鑑別」といいます。)。

 

 

2 少年鑑別所ではどのようなことをするのか

 

少年鑑別所に収容された少年は,知能検査,性格検査等の各種心理テストを受けるとともに鑑別技官といわれる鑑別所の職員の方と面接を行います。また,観護担当教官による日常的な生活態度の観察も行われており,これらの調査を通じて,少年の資質(性格や考え方など)の鑑別が行われることになります。

 

少年鑑別所法には,「鑑別対象者の鑑別においては,医学,心理学,教育学,社会学その他の専門的知識及び技術に基づき,鑑別対象者について,その非行又は犯罪に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上,その事情の改善に寄与するため,その者の処遇に資する適切な指針を示すものとする。」(同法第16条第1項)と定めるとともに,「鑑別対象者の鑑別を行うに当たっては,その者の性格,経歴,心身の状況及び発達の程度,非行の状況,家庭環境並びに交友関係,在所中の生活及び行動の状況(鑑別対象者が在所者である場合に限る。)その他の鑑別を行うために必要な事項に関する調査を行うものとする。」(同条第2項)と定めています。

 

少年鑑別所が審判までに少年について調査した結果は,「鑑別結果通知書」という書類にまとめられます(同法第17条第2項)。この鑑別結果通知書は,少年に対する処遇意見やその理由が記載されることになりますので,家庭裁判所の裁判官がその少年に対する処遇を決める上で重要な資料となります。

 

 

3 少年鑑別所にいる期間

 

少年鑑別所に収容される期間は,通常4週間以内であり(少年法第17条第3項),その間に審判が開かれて処分が決まることになります。

 

しかし,非行事実の有無や内容を決めるために必要な場合は,特別に最大8週間まで期間が延長されることもあります(同条第4項)。

 

 

4 少年院との違い

 

上記のとおり,少年鑑別所は,あくまで少年に対する最終的な処分を判断するために,少年の心身を観察し調査する中間的な施設です。

 

これに対し,少年院は,審判で矯正教育(犯罪や非行のような社会的不適応がある人の性格などを矯正し,社会復帰させる教育)が必要と判断された少年を最終的に収容する施設になっています。

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