COLUMN

お知らせ

2018.07.21

刑事事件

強制わいせつ罪とは?

 


 

岡山西警察署は,路上で22歳の女性の体を触ったとして,強制わいせつの疑いで岡山市の教員を逮捕しました。逮捕容疑は,帰宅途中の女性の後を付け,現場で口をふさいで押し倒し,胸などを触ったというもの。

(上記事件は,フィクションです。)

 


 

本日は,上記事件をもとに,強制わいせつ罪について簡単に説明いたします。

 

 

1 強制わいせつ罪とは

 

強制わいせつ罪とは,13歳以上の男女に対し,暴行または脅迫を用いて,また13歳未満の男女に対してわいせつな行為をしたときに成立する犯罪です。

 

強制わいせつ罪は,未遂罪についても処罰されます(刑法第179条)。

 

 

2 強制わいせつ罪が成立するための要件

 

強制わいせつ罪が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。

 

①13歳以上の男女に対し,暴行または脅迫を用いて,

   又は

 13歳未満の男女に対して

②わいせつな行為をしたこと

 

各要件について少し説明しますと,

 

①について

法律は,本罪の客体の年齢に関して,13歳以上の者と13歳未満の者で区別をしています。

 

すなわち,13歳以上の男女に対する強制わいせつ罪については,暴行または脅迫を手段とすることが必要です。また,被害者の同意がある場合は成立しません。

 

これに対して,13歳未満の男女に対する強制わいせつ罪の場合,暴行または脅迫が用いられる必要はありません。また,被害者の同意があっても本罪が成立します。

 

①の“暴行・脅迫”について,

暴行は,強盗罪における暴行のように反抗を抑圧するまでの必要はありませんが,反抗を著しく困難にする程度のものであることが必要と考えられます(強盗罪についてはこちら)。

例えば,殴打,蹴る以外にも,体を押さえる,着衣を引っ張る等の行為が考えられます。

また,不意に股間に手を差し入れる場合のように,暴行自体がわいせつ行為に該当する場合であってもよいとされています。

 

②の“わいせつな行為”について,

わいせつな行為とは,性欲を刺激,興奮又は満足させ,かつ普通人の性的羞恥心を害し,善良な性的道義観念に反する行為のことをいいます。

例えば,

・陰部に手を触れる

・手指で弄ぶ

・自己の陰部を押し当てる

・女性の乳房を弄ぶ

・接吻

などの行為が考えられます。

 

 

今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,

①13歳以上の女性に対して,口をふさぎ押し倒すといった,反抗が著しく困難となる暴行を用いて

②胸を触るというわいせつな行為を行った

 

このように①~②の要件にすべて当てはまるため,強制わいせつ罪が成立すると考えられます。

 

 

3 強制わいせつ罪の法定刑と公訴時効

 

強制わいせつ罪の法定刑は,6月以上10年以下の懲役と定められています(刑法第176条)。

 

強制わいせつ罪の公訴時効は7年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第4号)。

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