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2018.08.01

刑事事件

強制性交等罪(旧 強姦罪)とは?

 


 

岡山中央警察署は,岡山市の路地を歩いていた20代の女性に対し暴行,脅迫を加え姦淫したとして岡山市の会社員の男性を強制性交等罪で逮捕しました。逮捕容疑は,女性の顔面等を平手で数回殴り,手に持った包丁を女性の顔面に押し当てるなどしながら「引いたら切れるぞ」などと言うなどの暴行,脅迫を加え,その反抗を著しく困難にした上,姦淫したというもの。

(上記事件は,フィクションです。)

 


 

本日は,上記事件をもとに,強制性交等罪(旧 強姦罪)について簡単に説明いたします。

 

 

1 強制性交等罪(旧 強姦罪)とは

 

強制性交等罪(旧 強姦罪)とは,暴行・脅迫を用いて性交や肛門性交,口腔性交(以下,性交等といいます。)をした場合に成立する犯罪です。

 

従来は「強姦罪」と呼ばれていましたが,平成29年7月13日に刑法が改正され,従来の「強姦罪」の罪名が「強制性交等罪」に変更されるとともに,その内容や罰則も変更されました。

 

また,従来は「親告罪」でしたが,被害者の告訴がなくても起訴できる非親告罪となりました。

 

 

2 強制性交等罪(旧 強姦罪)が成立するための要件

 

強制性交等罪(旧 強姦罪)が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。

 

①13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いて

   又は

 13歳未満の者に対して

②性交,肛門性交又は口腔性交したこと

 

各要件について少し説明しますと,

 

①について

従来の「強姦罪」では,被害者を女性に限定していましたが,刑法の改正により,被害者の性別は問われなくなりました。

 

また,法律は,本罪の客体の年齢に関して,13歳以上の者と13歳未満の者で区別をしています。

 

すなわち,13歳以上の男女に対する強制性交等罪(旧 強姦罪)については,暴行または脅迫を手段とすることが必要です。また,被害者の同意がある場合は成立しません。

 

これに対して,13歳未満の男女に対する強制性交等罪(旧 強姦罪)の場合,暴行または脅迫が用いられる必要はありません。また,被害者の同意があっても本罪が成立します。

 

①の“暴行・脅迫”の程度については,

必ずしも相手方の反抗を抑圧する程度のものであることを要せず,その反抗を著しく困難にする程度のものであれば足ります。

 

②の性交,肛門性交又は口腔性交について

従来の「強姦罪」では,行為内容を姦淫(性交)に限定していましたが,今回の改正により,性交のほか,肛門性交,口腔性交も含まれることになりました。

 

今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,

 

①13歳以上の女性に対し,顔面等を平手で殴ったり,包丁を顔面に押し当てたりして,その反抗を著しく困難にし

②性交した

 

このように①~②の要件にすべて当てはまるため,強制性交等罪(旧 強姦罪)が成立すると考えられます。

 

 

3 強制性交等罪(旧 強姦罪)の法定刑及び時効

 

強制性交等罪(旧 強姦罪)の法定刑は,5年以上の有期懲役と定められています(刑法第177条)。

 

強制性交等罪(旧 強姦罪)の公訴時効は,10年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第3号)。

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