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2020.01.01

刑事事件

控訴審判決の種類とは?

 

刑事裁判において,第一審の判決に不服があり,控訴理由があると考えた場合は,上級裁判所に控訴することができます。

 

本日は,刑事事件における「控訴審判決の種類」について説明いたします。

 

 

1 そもそも控訴とは

 

控訴とは,第一審の判決に対してその取消し・変更を求める不服申立てのことをいいます。

 

控訴できるのは,第一審判決を言い渡した手続の当事者であった検察官及び被告人です(刑事訴訟法第351条第1項)。なお,原審における弁護人も,被告人のために控訴の申立てができますが,被告人の明示の意思に反した申立ては許されません(同法第353条,第355条)。

 

第一審の判決に不服があり,控訴理由があると考えた場合には,控訴理由を記載した控訴趣意書を高等裁判所に提出することになります。

 

なお,控訴理由は,法律に規定されているものでなければいけません(同法第384条)。

 

 

2 控訴審判決の種類

 

控訴の申立てに対する裁判所の判断(控訴審判決)には大きく分けて,⑴棄却と⑵破棄の2種類がありますので,それぞれの具体的内容について簡単に説明します。

 

⑴ 棄却

 

控訴裁判所は,控訴の申立てが不適法な場合,例えば,控訴申立権者ではない者による控訴申立てや,控訴趣意書提出期間内に控訴趣意書が提出されなかった場合には,決定で控訴を棄却することになります(刑事訴訟法第385条第1項,第386条第1項)。

 

また,適法な控訴の申立てがあった場合であっても,控訴理由に該当する事由がないと判断した場合には,判決で控訴を棄却することになります(同法第396条)。

 

控訴棄却の場合には,第一審の判決が維持されることになります。

 

 

⑵ 破棄

 

控訴理由に該当する事由が認められる場合,控訴裁判所は判決で原判決を破棄します。

 

なお,破棄の理由には,第一審の訴訟手続等そのものに瑕疵があった場合(同法第397条第1項)と,第一審の訴訟手続等に瑕疵はないものの,第一審判決後の情状について調査した結果,原判決を破棄しなければ明らかに正義に反すると認められる場合(同法第397条第2項)の2種類があります。

 

原判決破棄の場合,控訴裁判所は,原則として,事件を第一審裁判所に差し戻すか,第一審裁判所と同等の他の裁判所に移送する必要があります(同法第398条,第399条,第400条本文)。差戻し・移送がなされると,改めて第一審裁判所において審理されることになります。

 

ただし,控訴裁判所が,訴訟記録及び第一審裁判所・控訴裁判所において取調べた証拠によって直ちに判決をすることができるものと認める場合には,例外的に控訴裁判所自らが新たに判決をすることもできるとされています(同法第400条但書)。

 

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