COLUMN

お知らせ

2018.10.29

刑事事件

自己堕胎罪とは?

 


 

岡山中央警察署は,自己堕胎罪の疑いで,岡山市に住む女性を逮捕しました。逮捕容疑は,インターネットで購入した経口妊娠中絶薬を服用し,自ら中絶したというもの。

(上記事件はフィクションです。)

 


 

本日は,上記事件をもとに,自己堕胎罪について説明いたします。

 

 

1 まずは「堕胎罪」について

 

堕胎罪とは,胎児を生理自然の分娩期に先立って人為的に母体外に排出する行為ないし,胎児を母体内で殺す行為を内容とする犯罪のことをいいます。

 

堕胎罪には,自己堕胎罪(刑法第212条)のほかに,同意堕胎罪(同第213条),業務上堕胎罪(同第214条),不同意堕胎罪(同第216条)が規定されています。

 

なお,母体保護法は,①妊娠の継続または分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合,②暴行もしくは脅迫によって抵抗もしくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠した場合には,人工妊娠中絶を許容しています(母体保護法第14条第1項)。したがって,かかる場合の人工妊娠中絶は,正当行為(刑法第35条)として違法性が阻却されるため,犯罪が成立しません。

 

 

2 自己堕胎罪が成立するための要件

 

自己堕胎罪が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。

 

①妊娠中の女子が

②薬物を使い,又はその他の方法により

③堕胎したとき

 

各要件について少し説明しますと,

 

③の“堕胎”とは,

胎児を母体内で殺すか,あるいは,自然の分娩期に先立って人工的に胎児を母体から分離・排出することをいいます。

 

 

今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,

 

①妊娠中の女性が

②経口妊娠中絶薬を使用し

③中絶した

 

このように①~③の要件にすべて当てはまるため,母体保護法により違法性が阻却されない限り,自己堕胎罪が成立すると考えられます。

 

3 自己堕胎罪の法定刑及び公訴時効

 

自己堕胎罪の法定刑は,1年以下の懲役と定められています(刑法第212条)。

 

公訴時効は,3年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第6号)。

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