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2022.08.01

刑事事件

ストーカー規制法に基づく禁止命令とは?

 

 

本日は,「ストーカー規制法に基づく禁止命令」について簡単に説明いたします。

 

目次

     

    1 そもそも,ストーカー規制法とは

     

    「ストーカー規制法」とは,正式名称を「ストーカー行為等の規制等に関する法律」といい,ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに,その相手方(被害者)に対する援助の措置等を定めることにより,個人の身体,自由及び名誉に対する危害の発生を防止し,あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的とするとして定められた法律のことです。

     

     

    2 ストーカー規制法に基づく禁止命令について

     

    都道府県公安委員会は

    ①つきまとい等又は位置情報無承諾取得等があった場合において

    ②当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときは

    ③その相手方の申出により、又は職権で

    当該行為をした者に対し、更に反復して当該行為をしてはならないこと等を命ずることができます(ストーカー規制法第5条第1項)。

     

    このように,都道府県公安員会によるつきまとい等の抑止に向けられた処分を「禁止命令」といいます。

     

    禁止命令の内容としては、「更に反復して当該行為をしてはならないこと」のほか、「更に反復して当該行為が行われることを防止するために必要な事項」も含まれます。例えば、写真やビデオテープを送りつける行為(同第2条1項8号)が反復された場合であれば、当該写真のネガやビデオのマスターテープの廃棄を命じることなどです。

     

    禁止命令は、行為者に禁止命令書を交付して行うものとされていますが、緊急を要する場合には、口頭で禁止命令を行うことができます。ただし、口頭で禁止命令を行った場合、その後可能な限り速やかに禁止命令書を交付する必要があります(ストーカー行為規制法施行規則第5条)。

     

    なお、禁止命令を行うに当たっては、原則、当該行為を行っている者を呼び出して言い分を聞く「聴聞」という手続きを行う必要があります(同法第5条2項)。

     

    また、禁止命令等の有効期間は1年ですが、被害者の申出により又は職権で、1年ごとに聴聞を経て禁止命令等の更新ができることになっています(同法第5条8項乃至10項)。

     

     

    3 禁止命令の効果について

     

    つきまとい等を行っている者は、自分の行いがつきまとい等に該当すると考えていない場合も多いため、禁止命令により注意喚起することで、今後のつきまとい等を防止する効果があると期待されています。

     

    実際、平成26年8月5日付「ストーカー行為等の規制等の在り方に関する報告書」によると、平成25年4~6月に警察が認知したストーカー事案5,437件のうち、禁止命令等を発出したのが 11 件あるところ、これらについて、その後行為が継続せず効果があったと認められたものが、禁止命令等で7件(63.6%)であったとされています。

     

     



     

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