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2019.11.15

刑事事件

保護観察付執行猶予とは?

 

刑事裁判において,“懲役2年執行猶予3年,その猶予の期間中保護観察に付する”という判決がなされる場合があります。

 

本日は,「保護観察付執行猶予」について説明いたします。

 

目次

     

    1 そもそも,執行猶予とは

     

    執行猶予とは,有罪判決に基づく刑の執行を一定期間猶予し,その間に罪を犯さなかったときは,刑の言渡しがなかったのと同様の効果を生じさせる制度です。

     

    例えば,“懲役2年,執行猶予3年”という判決が言い渡されたとすると,“ひとまず一般の社会で生活させて,3年間罪を犯さなければ,2年間刑務所に行く必要はなくなる”ということになります。

     

    なお,猶予される刑の内容としては,初度の執行猶予の場合は3年以下の懲役・禁固または50万円以下の罰金,再度の執行猶予の場合は1年以下の懲役・禁固になります。

     

    また,猶予される期間は,1年以上5年以下になります。

     

     

    2 保護観察付執行猶予とは

     

    刑の執行が猶予される場合に合わせて保護観察が付されることがあります。

     

    保護観察付の執行猶予の場合,執行猶予期間中,保護観察所のもとで,遵守事項を守るよう指導監督を受けるとともに,生活環境などについて援護を受けることになります。

     

    保護観察は,保護観察官の他に,ボランティアの保護司によって担われています。

     

    必ず保護観察が付されるケースとしては,再度の執行猶予の場合(前に禁固以上の刑につきその執行を猶予された者が,再度,執行を猶予される場合)や,薬物使用等の罪を犯した者が刑の一部執行を猶予された場合があります(刑法第25条の2第1項後段,薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部執行猶予に関する法律第4条第1項)。

     

    また,初めての執行猶予でも,保護観察に付することが被告人の更生と再犯防止の観点から適当と考えられる場合には,裁判所の裁量により,保護観察が付される場合があります(刑法第25条の2第1項前段,第27条の3第1項)。

     

    執行猶予期間中に新たに罪を犯すと,執行猶予が取り消されてしまうことがあります。また,保護観察付執行猶予の場合には,保護観察官等の呼出しに応じないとか,保護観察所に無断で転居したなどの遵守事項違反があった場合でも,執行猶予が取り消されてしまう場合があります。

     

     

     



     

     

    ~葵綜合法律事務所について~

     

    葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。

     

    保護観察付執行猶予に関することはもちろん,刑事事件・少年事件について何か弁護士にご相談したいことがございましたら,法律相談(初回無料)又は初回接見サービスをご利用ください。

     

     



     

     

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