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2018.06.18
刑事事件
再度の執行猶予の要件について
刑事裁判において,“懲役1年執行猶予3年”という判決のように,執行猶予という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
本日は,「再度の執行猶予の要件」について説明いたします。
目次
1 そもそも,執行猶予とは
執行猶予とは,有罪判決に基づく刑の執行を一定期間猶予し,その間に罪を犯さなかったときは,刑の言渡しがなかったのと同様の効果を生じさせる制度です。
例えば,“懲役1年執行猶予3年”という判決が言い渡されたとすると,“ひとまず一般の社会で生活させて,3年間新たに罪を犯さなければ,1年間刑務所に行く必要はなくなる”ということになります。
そして,再度の執行猶予とは,前に禁固以上の刑に処せられたがその執行を猶予された場合に再度付される執行猶予のことをいいます。
2 再度の執行猶予の要件
再度の執行猶予(刑法第25条第2項)を付けることができる場合とは,以下のとおりになります。
①前に禁固以上の刑に処せられたがその執行を猶予された者であり,保護観察がついていないこと
②今回言い渡される刑が1年以下の懲役又は禁錮であること
③「情状に特に酌量すべきもの」があること
法律は,初度の執行猶予については「情状により」執行猶予とすることができると規定するのに対し(刑法第25条第1項),再度の執行猶予については「情状に特に酌量すべきものがあるとき」と規定していますので,初度の執行猶予の場合よりも酌量すべき情状があることが必要となります。
具体的には,犯罪により生じた被害が特に軽微で実刑を科す必要性が乏しく,かつ,更生の見込みが大きいことが必要であると考えられます。
なお,初度の執行猶予の要件についてはこちらをご覧ください。
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