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2022.05.01

刑事事件

刑事裁判の判決後の流れとは ~勾留中の被告人に対する執行猶予判決等の場合~

 

本日は,勾留中の被告人に対して執行猶予判決等が言い渡された場合の「刑事裁判の判決後の流れ」について説明いたします。

 

目次

     

    1 そもそも,刑事裁判の判決について

     

    刑事裁判の判決では,被告人が有罪か無罪か,有罪の場合はどれほどの刑罰が科されるのかが決まります。

     

    裁判所は,検察官が起訴した事件について「犯罪の証明があった」ときは,有罪の判決をしなければならず(刑事訴訟法第333条第1項),逆に罪とならないとき又は犯罪の証明がないときは無罪の判決をしなければなりません(同法第336条)。

     

    そして,有罪判決は,主文と理由から構成され,主文とは例えば,「被告人を懲役3年に処する。」というものであり,具体的な刑罰の内容が中心となります。

     

    また,理由については,罪となるべき事実のほか,証拠の標目及び法令の適用が示されることになります(同法第335条第1項)。なお,量刑の理由については法律上の記載事由とはされていませんが,記載されるのが通例とされています。

     

    なお,裁判長は,判決の宣告をした後,被告人に対し,その将来について適当な訓戒をすることができるとされており(刑事訴訟規則第221条),このような裁判官による訓戒を一般に「説諭」といいます。

     

     

    2 勾留中の被告人に対して執行猶予判決等が言い渡された場合の「刑事裁判の判決後の流れ」について

     

    刑事事件の裁判においては,勾留を伴う場合(身柄事件)と勾留を伴わない場合(在宅事件)に分類することができ,勾留を伴う場合(身柄事件)には,被告人は留置施設における身体拘束を受けながら裁判所に出廷することになります。

     

    そして,裁判が進行し判決が言い渡されることになりますが,勾留中の被告人について禁固以上の刑に処するものの,その執行が猶予された場合や,罰金刑が言い渡された場合などは,「勾留状は,その効力を失う」ことになりますので(刑事訴訟法第345条),勾留中の被告人はその場で釈放されることになります。もっとも,被告人の所持品が留置施設に置いてある場合については,一度所持品を引き取るために留置施設に戻ることがあります。

     

    なお,保護観察付の執行猶予判決の場合には,判決後,被告人は裁判所において保護観察に関する説明を受けることになります。そして,同日,又は数日のうちに保護観察所に赴き,担当保護観察官から改めて,保護観察に関する詳しい説明を受けることになります。

     

     

     



     

     

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