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2018.09.14
刑事事件
刑罰の種類とは? ~罰金・科料,没収について~
罪を犯した場合に科せられる刑罰には,いくつかの種類があります。日本の刑法には,刑罰の種類として,死刑,懲役・禁固・拘留,罰金・科料,没収の7つを定めています(刑法第9条)。
本日は,罰金・科料,没収について説明いたします。
1 罰金・科料とは
罰金(刑法第15条)とは,一定額の金銭を国庫に納付させる刑罰です。刑法上は,その額について,1万円以上とし上限は定めていません。なお,罰金を軽減する場合には,1万円未満とすることもできます(刑法第15条但書)。
科料(刑法第17条)も,一定額の金銭を国庫に納付させる刑罰ですが,その額について,1000円以上1万円未満と定められています。
罰金・科料を納付することができない場合は,労役場に留置されることになります(刑法第18条第1項)。労役場留置とは,罰金又は科料の判決が確定し,罰金・科料の金額を完納できない者に対して,裁判で定められた1日当たりの金額が罰金の総額に達するまでの日数分,労役場に留置して所定の作業(封筒貼りなどの軽作業)を行わせることをいいます。留置の期間は,罰金の場合は1日以上2年以下(罰金の併科または罰金・科料の併科の時は3年以下),科料の場合は1日以上30日以下(科料の併科のときは,60日以下)とされています(刑法第18条第1項ないし第3項)。
2 没収
没収(刑法第19条)とは,物の所有権を現所有者から剥奪し,国庫に帰属させる処分です。なお,没収は,主刑(懲役・禁固など)に付加してのみ科しうる付加刑です。
没収の対象とされる物として,①組成物件,②供用物件,③生成・取得・報酬物件,④対価物件が規定されていますので(刑法第19条第1項),それぞれの内容について簡単に説明いたします。
⑴ 組成物件
組成物件とは,犯罪行為を組成した物をいいます。具体的には,賭博罪における賭金(大判大正3・4・21),賄賂供与罪における賄賂(最判昭和24・12・6)などがこれに当たります。
⑵ 供用物件
供用物件とは,殺人に用いた凶器のように,犯罪行為を行うために利用した物(供用物件),又は利用しようとして準備した物(供用予定物件)をいいます。
⑶ 生成・取得・報酬物件
生成物件とは,犯罪行為によって作り出された物をいい,具体的には,偽造罪における偽造の通貨(大判明治44・10・19)などがこれに当たります。
取得物件とは,犯行時に既に存在した物であって,犯罪行為によって取得した物をいい,例えば,賭博に勝って得た財物(大判大正13・6・25)などがこれに当たります。
報酬物件とは,犯罪行為の報酬として得た物をいいます。
⑷ 対価物件
対価物件とは,盗品等を売却して得た代金(最判昭和23・11・18)のように,生成・取得・報酬物件の対価として得た物をいいます。
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葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。
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