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2022.09.15

刑事事件

労役場留置とは?

 

本日は、「労役場留置」について説明いたします。

 

目次

     

    1 そもそも、罰金・科料について

     

    労役場留置について説明する前に、罰金・科料について説明いたします。

     

    罰金・科料とは、それぞれ刑罰のひとつであり、一定額の金銭を国庫に納付させる刑罰となります。刑法上は、その額について、罰金については1万円以上とし上限は定めていません(刑法第15条)。そして、科料については、1000円以上1万円未満と定められています(同法第17条)。なお、罰金を軽減する場合には、1万円未満とすることもできます(同法第15条但書)。

     

    罰金・科料を納付することができない場合は、労役場に留置されることになります(同法第18条第1項)。

     

     

    2 労役場留置とは

     

    前述のとおり、罰金・科料を納付することができない場合は、労役場に留置されることになります(同法第18条第1項、第2項)。

     

    労役場留置とは、罰金又は科料の判決が確定し、罰金・科料の金額を完納できない者に対して、裁判で定められた1日当たりの金額が罰金の総額に達するまでの日数分、労役場に留置して所定の作業(封筒貼りなどの軽作業)を行わせることをいいます。

     

    実際の裁判では、「被告人を罰金30万円に処する。この罰金を完納できないときは金5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。」という形で、言い渡されることになります。

     

    留置1日当たりの金額(金銭的換算率)には特段のルールはないものの、1日あたり5,000円で計算されることが多く、罰金が30万円だった場合は60日間の労役となります。また、罰金額が100万円以上の場合には、1日金1万円以上の換算率とするのが通例とされています。

     

    そして、留置の期間としては、罰金の場合は1日以上2年以下(罰金の併科又は罰金・科料の併科の時は3年以下)、科料の場合は1日以上30日以下(科料の併科のときは、60日以下)とされています(同法第18条第1項ないし第3項)。

     

    なお、少年については、労役場留置の言渡しをすることが禁止されています(少年法第54条)。

     

     

     



     

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