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お知らせ

2021.03.01

刑事事件

勾留の執行停止とは?

 

本日は,「勾留の執行停止」について説明いたします。

 

目次

     

    1 そもそも,勾留とは

     

    そもそも勾留とは,逃亡や罪証隠滅等を防ぐために,被疑者・被告人の身体を拘束する処分のことをいいます。

     

    勾留の要件は,

    ①罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること(同法第60条第1項)

    ②住所不定,罪証隠滅のおそれ,逃亡のおそれのいずれか1つに当てはまること(同法第60条第1項各号)

    ③勾留の必要性(相当性)があること(同法第87条第1項)

    であるとされています。

     

     

    2 勾留の執行停止について

     

    勾留の執行停止とは,勾留中の被疑者・被告人を一時的に釈放する制度です。

     

    法律上,裁判官は,適当と認めるときは勾留されている被疑者・被告人を親族等に委託し,又は住居制限を付して,勾留の執行を停止することができると定められています。

     

    被疑者・被告人の身柄解放に関する手続きは,通常,被疑者・被告人や弁護人からの請求に基づいて進みますが,勾留の執行停止に関する手続きについては,被疑者等に請求権はなく,裁判所の職権によって認められます。

     

     

    3 勾留の執行停止が認められるケースとは

     

    前述のとおり,刑事訴訟法は「裁判所は,適当と認めるときは,決定で,勾留されている被告人を親族,保護団体その他の者に委託し,又は被告人の住居を制限して,勾留の執行を停止することができる。」と定めています(刑事訴訟法第95条)。

     

    そして,「適当と認めるとき」については,実務上,病気治療のための入院や,近親者の冠婚葬祭,入学試験等が挙げられます。

     

    勾留の執行停止が認められる期間は,当該勾留執行停止の理由となっている事項に関連して必要最小限の期間しか認められません。

     

    例えば,病気治療のための入院であれば,その入院期間に限定されますし,近親者の冠婚葬祭を理由とする場合であれば,その日限りですし,入学試験の場合も当該試験期間のみ釈放されることになります。

     

     

     



     

     

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