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2018.10.11

刑事事件

即決裁判手続とは?

 

捜査機関による捜査が終了すると,検察官は当該刑事事件についてどのような処分とするかの判断をします。検察官による処分の一つとして,即決裁判手続を求める場合があります。

 

本日は,即決裁判手続について説明いたします。

 

目次

     

    1 即決裁判手続とは

     

    即決裁判手続とは,事案が明白であり軽微で争いがなく,執行猶予が見込まれる事件について,起訴からできるだけ早い時期に公判期日を指定して相当な方法により審理を行い,原則として即日に執行猶予判決を言い渡す手続です。

     

     

    2 即決裁判手続の要件

     

    検察官は,以下の要件のすべてを満たす場合,起訴と同時に即決裁判手続の申立てをすることができます。

     

    ①事案が明白であり,かつ,軽微であること,証拠調べが速やかに見込まれるなど,即決裁判手続で審理するのが相当と認められる事件であること(刑訴法350条の2第1項本文)

    ②死刑,無期,短期1年以上の懲役または禁錮にあたる罪でないこと(刑訴法350条の2第1項担但書)

    ③被疑者の書面による同意があること(刑訴法350条の2第2項・3項)

    ④被疑者に弁護人があるときは,弁護人の書面による同意があるか,少なくとも意見を留保していること(刑訴法350条の2第4項・5項)

     

    検察官による即決裁判の申立てがあった事件について,弁護人の書面による同意があり,公判での被告人の有罪である旨の陳述があった場合は,裁判所は,即決裁判手続によることが相当でない場合を除き,即決裁判手続により審理する旨の決定をしなければなりません。

     

    いったん同意したとしても,弁護人の同意は撤回することができます。同意の撤回は即決裁判手続で審理する旨の決定があった後,判決言渡しまでの間は撤回することができます。

     

     

    3 即決裁判手続の効果

     

    即決裁判手続となると,上記のとおり,起訴から14日以内に公判期日が指定され,即日判決がなされるので,起訴後判決までの期間が短縮されます。また,判決は,原則として執行猶予判決となります。

     

    一方で,即決裁判手続による審理でなされた判決については,事実誤認を理由とする控訴・上告はできません。

     

     

     



     

     

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