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お知らせ

2018.08.21

少年事件

少年に対する処分とは?

 

家庭裁判所に送致された少年については,家庭裁判所による調査を経た後,何らかの処分が決定されます。

 

本日は,家庭裁判所が決定する処分について説明いたします。

 

 

1 少年事件の流れについて

 

まずは,少年事件の流れについて簡単に説明します。

 

事件を起こした少年は,捜査機関による捜査が終わると,原則として,すべての事件が家庭裁判所に送られます(全件送致主義,少年法第41条,42条)。

 

少年事件が家庭裁判所に送られると,家庭裁判所は調査を実施します。

 

そして,家庭裁判所による審判において,裁判官が,少年の処分を決定します。

 

 

2 家庭裁判所による処分の概要

 

家庭裁判所による決定には,以下のとおり6つの処分がありますので,それぞれの内容について簡単に説明いたします。

 

⑴ 審判不開始

 

審判不開始とは,調査の結果,審判に付するのが相当でない場合等に,審判そのものを行わない決定のことをいいます(少年法第19条第1項)。

 

審判に付するのが相当でない場合とは,調査官による教育的指導により,少年の要保護性(少年が将来的に再非行に至る可能性)が既に解消した場合などをいいます。

 

⑵ 不処分

 

不処分とは,審判の結果,保護処分に付する必要がないと認めた場合などに,少年に対して何らの処分をしない決定のことをいいます(少年法第23条第2項)。

 

保護処分に付する必要がないと認めた場合とは,調査・審判の過程で,調査官や裁判官による働きかけが講じられた結果,要保護性が解消し,再非行の危険性がなくなった場合や,非行事実が極めて軽微な場合などです。

 

⑶ 保護処分

 

保護処分には,①保護観察,②児童自立支援施設又は児童養護施設送致,③少年院送致の3種類があります(少年法第24条第1項)。

 

⑷ 検察官送致

 

検察官送致(逆送)とは,少年を調査した結果,保護処分ではなく成人と同様に刑事処分を科すことが相当であることなどを理由として,検察に送致する決定をいいます(少年法第19条第2項,第20条)。

 

検察官送致(逆送)がなされると,基本的に成人の刑事事件における公判(裁判)と同様の手続きとなります。

 

⑸ 知事又は児童相談所長送致

 

知事又は児童相談所長送致とは,児童福祉法上の措置が必要であるためになされる通常の送致(少年法第18条第1項)と,強制的措置許可申請事件に対して,取るべき保護の方法その他の措置を指示して行われる特別の送致(少年法第18条第2項)の2つがあります。

 

知事又は児童相談所長送致がなされると,訓戒又は誓約書の提出,児童福祉司もしくは児童委員等による指導,里親等への委託,並びに児童養護施設,もしくは児童自立支援施設等への入所措置が実施される可能性があります。

 

⑹ 試験観察

 

試験観察とは,少年に対してどのような処分とするか判断をする前に,中間処分として,相当期間,少年を調査官の観察に付するという制度(少年法第25条1項)のことをいいます。

 

試験観察は,少年に対する終局処分を一定期間留保し,その期間の少年の行動等を調査官の観察に付するために行われる中間処分ですので,試験観察中の少年の生活態度等を基に最終的な処分が決定されます。

 

 



 

 

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