COLUMN

お知らせ

2020.12.15

少年事件

少年に対する逮捕・勾留とは?

 

本日は,「少年に対する逮捕・勾留」について説明いたします。

 

目次

     

    1 はじめに

     

    少年が被疑者とされる事件であっても,捜査段階では原則として刑事訴訟法が適用されますので(少年法第40条),捜査段階の手続は成人の刑事事件とほぼ同様とされています。

     

    ただし,少年法上,少年の被疑者に対する身体拘束(逮捕・勾留)については,成人の場合と異なる規定がいくつか設けられています。

     

     

    2 成人の刑事事件と異なる点

     

    ⑴ 「やむを得ない場合」という要件が追加されていること

     

    前述のとおり,少年が被疑者とされる事件であっても,捜査段階では原則として刑事訴訟法が適用されますので(少年法第40条),成人と同じく,少年を被疑者として逮捕・勾留することができます。

     

    ただし,少年事件では,成人による刑事事件と異なり,勾留状を発する要件として,「やむを得ない場合」であることが追加されています(少年法第48条第1項,第43条第3項)。

     

    犯罪捜査規範にも,「少年の被疑者については,なるべく身柄の拘束を避け,やむを得ず,逮捕,連行又は護送する場合には,その時期及び方法について特に慎重な注意をしなければならない。」と規定されています(犯罪捜査規範第208条)。

     

     

    ⑵ 勾留場所を少年鑑別所とすることが可能であること

     

    少年事件では,成人による刑事事件と異なり,勾留された際の留置場所を,警察署の留置施設ではなく,少年鑑別所とすることができます(少年法第48条第2項)。

     

    また,少年を警察署の留置施設で勾留する場合でも,成人と分離して収容しなければなりません(少年法第49条第3項)。

     

     

    ⑶ 勾留に代わる観護措置が可能であること

     

    少年事件では,成人による刑事事件と異なり,逮捕後の身柄拘束の方法として,勾留に代わる観護措置を行うことができます(少年法第43条第1項)。

     

    勾留に代わる観護措置の場合,通常の勾留と異なり,身柄の拘束期間は最大でも10日間となります(通常の勾留については,基本的に最大20日間とされています。)。

     

    なお,勾留に代わる観護措置として少年鑑別所収容がとられた事件が家庭裁判所に送致された場合,当然に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされることになります(少年法第17条第7項)。

     

     



     

     

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