COLUMN
お知らせ
2018.06.27
刑事事件
強盗罪とは?
岡山市北区の路上で,タクシーの運転手を脅して現金を奪ったとして,岡山南警察署は,強盗の疑いで男性を逮捕しました。逮捕容疑は,停車していたタクシー内で男性が運転手に刃物のようなものを見せて脅し,現金5万円を奪って逃走したというもの。男性は「生活費が欲しかった。」と容疑を認めています。
(上記事件は,フィクションです。)
本日は,上記事件をもとに,強盗罪について簡単に説明いたします。
1 強盗罪とは
強盗罪は,暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取する場合に成立します。
強盗罪については,未遂も罰せられるとともに(刑法第243条),予備罪も規定されています(刑法第237条)。
2 強盗罪が成立するための要件
強盗罪が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。
①暴行または脅迫を用いて
②他人の財物を
③強取したこと
④不法領得の意思があること(奪った物を利用する意思があること)
各要件について少し説明しますと,
①の“暴行または脅迫”とは
相手方の反抗を抑圧する程度であることが必要とされています。たとえばナイフやけん銃で脅す,縄などで手足を縛るなどの方法がこれに当たります。
③の“強取する”とは,
暴行・脅迫をもって相手方の反抗を抑圧し,その結果として財物を自己又は第三者の占有に移す行為をいうとされています。
今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,
①タクシーの運転手に対して,刃物で脅すといった脅迫を用いて
②タクシーの運転手が管理するお金を
③自己の占有に移した
④生活費に費消する目的であったこと
このように①~④の要件にすべて当てはまるため,強盗罪が成立すると考えられます。
3 強盗罪の法定刑及び時効
強盗罪の法定刑は,5年以上の有期懲役と定められています(刑法第236条第1項)。有期懲役とは20年以下の懲役のことをいいます(刑法第12条第1項)。
強盗罪の公訴時効は,10年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第3号)。
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葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。
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