COLUMN
お知らせ
2018.12.18
刑事事件
所持品検査とは?
警察官による職務質問の際に,対象者の所持品検査も実施される場合があります。
本日は,所持品検査について説明いたします。
第1 所持品検査とは
所持品検査の態様としては,
⑴所持品を外部から観察する行為
⑵所持品について質問する行為
⑶任意に提示を求める行為及び任意の承諾に基づいて点検する行為
⑷衣服又は携帯品の外部に手を触れて検査する行為
⑸所持品を警察官が自ら開示しあるいはポケット等の中にある所持品を取り出し検査する行為
等が考えられます。
第2 所持品検査の適法性
前記のとおり,所持品検査の態様として,⑴~⑸までの行為が考えられるところ,⑴~⑶までの所持品検査については,その可否について問題になることはありません。
一方で,⑷及び⑸の態様の所持品検査は許されるでしょうか。
このことについて判例は,所持品検査について明文の規定はないが,所持品検査は,口頭による質問と密接に関連し,かつ,職務質問の効果を上げるうえで必要性,有効性の認められる行為であるから,職務質問に付随して行うことができる場合があるとしています。そして,所持品検査は,任意手段である職務質問の付随行為として許容されるのであるから,所持人の承諾を得て,その限度において行うのが原則であるが,流動する各般の警察事象に対応して迅速適正にこれを処理すべき行政警察の責務にかんがみると,所持人の承諾のない限り所持品検査は一切許容されないと解するのは相当でなく,捜索に至らない限度の行為は,強制にわたらない限り,所持品検査においても許容される場合があると解すべきであるとしています。そのうえで,許容される所持品検査について,所持品検査の必要性,緊急性,これによって害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し,具体的情況の下で相当と認められる限度においてのみ,許容されるとしています(最判昭53・6・20)。
以上のとおり,判例は,⑷及び⑸の態様の所持品検査について,所持品検査の必要性,緊急性,これによって害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し,具体的情況の下で相当と認められる限度においてのみ,許容されるとしています。
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