COLUMN
お知らせ
2018.11.03
刑事事件
押収とは?
警察や検察による捜査の方法として,「押収」という方法があります。
本日は,「押収」について説明いたします。
1 押収とは
押収とは,物の占有を取得する処分のことをいい,押収の種類として,差押え(刑事訴訟法第218条第1項),領置(同法第221条)等が定められています。
差押えとは,人の占有を強制的に排除して物の占有を取得する処分のことをいいます。これに対して,領置とは,被疑者等が遺留した物,又は所有者・所持者・保管者が任意に提出した物の占有を取得する処分のことをいいます。
2 令状主義及び差押えの要件について
憲法第35条は,国民の財産権・プライバシー権を侵害する捜索・差押えなどの強制処分の発動については,原則として,裁判官が「正当な理由に基いて」発する令状がなければならないという,令状主義の原則を定めています。
「正当な理由」とは,
①捜査対象となる犯罪の嫌疑が存在すること
②処分の必要性・相当性があること
をいうとされています。
なお,憲法第35条は,令状主義の原則について,「第33条の場合(適法な逮捕手続)を除いては」という除外文言を設けていることから,憲法は,逮捕が実行される場合に捜索・差押えに関し裁判官の令状を必要としない例外を認めていることになります。
3 令状発付の手続
検察官,検察事務官または司法警察員は,捜索・差押えのための令状請求を行うことができます(刑事訴訟法第218条第4項)。請求の際には,規則の定める事項を記載した「請求書」を裁判官に提出します(規則第139条第1項,第155条)。また,請求書記載の処分を実行する「正当な理由」を示す「疎明資料」も提出しなければならないとされています(規則第156条)。
これらの請求書と疎明資料等に基づき令状裁判官は,上記「正当な理由」の有無を検討します。検討の結果,「正当な理由」を欠くと判断した場合には,請求を却下することができます。逆に,「正当な理由」が認められる場合には,裁判官は,被疑者の氏名,罪名,差し押さえるべきもの,捜索すべき場所,身体若しくは物,有効期間等法定の事項を記載した令状を発付することになります(刑事訴訟法第219条第1項)。
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葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。
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