COLUMN
お知らせ
2021.12.01
刑事事件
損害賠償命令制度とは?
本日は,「損害賠償命令制度」の概要について説明いたします。
目次
1 損害賠償命令制度とは
損害賠償命令制度とは,刑事事件を担当した裁判所が,有罪の言渡しをした後引き続き被害者等による損害賠償請求についての審理も行い,加害者(被告人)に損害の賠償を命じることができるという制度です。
損害賠償命令制度においては,第1回審理期日の際,裁判所は必要でない記録を除き刑事事件の訴訟記録を取り調べなければならないとされているとともに(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第30条第4項),審理は特別の事情がある場合を除き4回以内に終結しなければならないと定められていますので(同法第30条第3項),犯罪被害者の方は刑事事件とは別の手続で民事訴訟を提起する場合に比べ,負担が軽減されることになります。
2 損害賠償命令手続の流れ
以下の対象事件に該当する被害者又はその一般承継人は,当該事件の係属する地方裁判所に対し,その弁論の終結までに,損害賠償命令の申立てをすることができます(同法第23条第1項)。
対象事件とは,⑴故意の犯罪行為により人を死傷させた罪,⑵強制わいせつ及び強制性交等の罪,⑶逮捕及び監禁の罪,⑷略取及び誘拐の罪等に係る刑事事件です。
申立て後,刑事事件に関する有罪判決の言渡しがあった場合には,直ちに審理期日が開かれることになります(同法第30条第1項)。そして,前述のとおり,第1回審理期日の際,裁判所は必要でない記録を除き刑事事件の訴訟記録を取り調べなければならないとされているとともに,審理は特別の事情がある場合を除き4回以内に終結しなければならないと定められています。
損害賠償命令の申立てに対する裁判は,確定判決と同一の効力を有することとなりますが(同法第33条第5項),当事者は異議の申立てを行うことができ(同法第33条第1項),その場合は通常の民事訴訟手続きに移行することとなります(同法第34条第1項)。
~葵綜合法律事務所について~
葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。
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