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2018.08.23
刑事事件
正当防衛とは?
「正当防衛」という言葉自体はテレビドラマやニュース等でよく耳にする言葉ですので,なんとなくはご存知の方も多いと思います。しかし,どのような場合に,どのような行為が法律上の正当防衛と認められるのかをしっかり認識している方は少ないかと思われます。
本日は,「正当防衛」について説明いたします。
1 正当防衛とは
正当防衛とは,「急迫不正の侵害に対して自己または他人の権利を防衛するため,やむを得ずした行為」をいいます(刑法第36条第1項)。
正当防衛が成立する場合には,違法性が阻却され,犯罪の成立が否定されることになります。
2 正当防衛が成立するための要件
正当防衛が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。
①急迫不正の侵害に対して
②自己または他人の権利を防衛するため
③やむを得ずした行為
各要件について少し説明しますと,
①の“急迫”とは,
相手方による権利侵害行為が切迫していることを意味します。そのため,過去にあった出来事や未来におこる可能性のある出来事に対する行為は正当防衛に当てはまりません。
①の“不正の侵害”とは,
相手の行為が違法性を有する権利侵害行為があることを意味します。権利侵害行為とは,生命,身体,財産などに対する加害行為をいいます。
②の“防衛するため”とは,
防衛の意思をもって行われることが必要とされています。防衛の意思が存在するというためには,急迫不正の侵害を認識しているだけでは足りず,それに加えて“侵害に対応する意思”あるいは“侵害を避けようとする単純な心理状態”といった要素が必要であると解されています。
③の“やむを得ずした行為”とは,
急迫不正の侵害に対する防衛行為が,侵害に対する防衛手段として相当性を有するものであることを意味します。例えば,素手での権利侵害行為に対し,こちらが拳銃を使って相手を怪我させるような防衛行為をとった場合,正当防衛と認められにくくなります。
不正な権利侵害行為に対する防衛行為が相当性を有しなかった場合には,正当防衛ではなく,過剰防衛が成立することになります。過剰防衛の場合,違法性は否定されず,「情状により,その刑を減軽し,又は免除することができる。」と定められています(刑法第36条第2項)。
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葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。
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