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2018.09.23
刑事事件
略式命令請求(略式起訴)がなされる事件とは?
捜査機関による捜査が終了すると,検察官は当該刑事事件についてどのような処分とするかの判断をします。検察官による処分の一つとして,略式命令請求(略式起訴)というものがあります。
本日は,「略式命令請求(略式起訴)がなされる事件」について説明いたします。
1 そもそも,略式命令請求(略式起訴)とは
略式命令請求(略式起訴)とは,検察官による公訴提起の際に,通常の公判手続ではなく,簡略化された手続を求める場合をいいます。
略式命令請求(略式起訴)により行われる手続では,被告人は裁判所に出廷することなく,検察官が提出した書面審理のみで,一定額以下の罰金又は科料の刑を科する裁判が行われることになります。
被告人にとっては公開の法廷への出頭などの負担がなく,刑事司法を担当する検察庁や裁判所の人的・物的負担の軽減にもなることから,実務上,多くの事件が略式命令請求(略式起訴)によって処理されています。
2 略式命令請求(略式起訴)がなされる事件とは
略式命令請求(略式起訴)がなされる事件は,以下の要件を満たす必要があります。
⑴ 簡易裁判所の管轄に属する事件であること
簡易裁判所は,罰金以下の刑に当たる罪及び窃盗や横領など比較的軽微な罪の刑事事件について,第一審の裁判権を持っていますので(裁判所法第33条)。略式命令請求(略式起訴)を行うためには,かかる簡易裁判所の管轄に属する事件でなければなりません。
⑵ 100万円以下の罰金・科料に相当する事件であること
刑事訴訟法第461条には,「略式命令で,100万円以下の罰金又は科料を科すことができる」と定められており,略式命令請求(略式起訴)をするためには,かかる刑罰に相当する事件でなければなりません。
⑶ 略式手続について,被疑者(被告人)に異議がないこと
検察官は,略式命令請求(略式起訴)をする際,被疑者に対し,あらかじめ,略式手続を理解させるための必要な事項を説明し,通常の手続による裁判を受けることができる旨を告げた上,略式手続によることについて異議がないかどうかを確かめなければなりません(刑事訴訟法第461条の2第1項)。
⑷ 略式命令をすることが相当であること
略式命令をする上で,上記要件を満たす場合であるものの,裁判所が,事案複雑で公判手続きにおいて慎重な審理をするのを相当と認める場合,量刑について検察官と著しく意見を異にする場合など,略式命令をすることが相当でない場合には,通常の手続に移行することになります(刑事訴訟法第463条第1項)。
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葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。
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