COLUMN
お知らせ
2021.09.15
刑事事件
脅迫罪とは?
岡山南警察署は,脅迫罪の疑いで,岡山市の男性を逮捕しました。逮捕容疑は,隣家の住人に対し,「殺すぞ」と言ったというものです。男性は,「隣家の住人から騒音に対し注意を受け,苛ついて言った。」と容疑を認めています。
(上記事件は,フィクションです。)
本日は,上記事件をもとに,脅迫罪について簡単に説明いたします。
目次
1 脅迫罪とは
脅迫罪とは,人を脅して怖がらせる犯罪です。
脅迫罪については,未遂罪は規定されていません。
2 脅迫罪が成立するための要件
脅迫罪が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。
①相手方又はその親族の生命,身体,自由,名誉もしくは財産に対し害を加える旨を告知して
②人を
③脅迫したこと
各要件について少し説明しますと,
①の“生命への害悪の告知”とは,例えば
「殺すぞ」「子供の命はないと思え」などの言葉が当てはまります。
また,“身体への害悪の告知”とは,例えば
「殴るぞ」「目を見えなくしてやる」などの言葉が当てはまります。
次に,“名誉への害悪の告知”とは,例えば
「写真をネットにばらまくぞ」「悪い噂をネットに書き込むぞ」などの言葉が当てはまります。
なお,告知方法としては,対面での口頭による場合以外にも,メール,手紙,電話等による場合でもよく,また,明示であると黙示であるとを問わないとされています。
②の“人”とは,
自然人,つまり生身の人間のことであり,会社などの法人は対象となりません。
③の“脅迫”とは,
客観的に相手方を畏怖させることができる程度の害悪の告知であり,現実に恐怖心を抱いたことは必要ありません。
今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,
①「殺すぞ」と言って
②隣家の住人を
③畏怖させることができる程度の害悪の告知を行った
このように①~③の要件にすべて当てはまるため,脅迫罪が成立すると考えられます。
3 脅迫罪の法定刑及び時効
脅迫罪の法定刑は,2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金と定められています(刑法第222条)。
脅迫罪の公訴時効は,3年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第6号)。
~葵綜合法律事務所について~
葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。
脅迫罪に関することはもちろん,刑事事件・少年事件について何か弁護士にご相談したいことがございましたら,法律相談(初回無料)又は初回接見サービスをご利用ください。
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