COLUMN
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2019.01.18
少年事件
要保護性とは?
少年事件において,重要なキーワードとして「要保護性」という言葉があります。
本日は,その要保護性について説明いたします。
1 要保護性とは
要保護性とは,少年審判の対象の一つとされており(少年審判に関する詳細は,「少年事件における審判とは?」をご覧ください),少年に対する処分を考えるうえで重要な要素といえます。
そして,要保護性は,①犯罪的危険性,②矯正可能性,③保護相当性の3つの要素で構成されています。
以下,それぞれの要素について説明いたします。
2 犯罪的危険性とは
犯罪的危険性とは,少年の性格や環境に照らして,将来再び非行に陥る危険性のことをいいます。
そもそも少年に対する保護手続きは,再非行の危険性の解消を目的とすることから,犯罪的危険性は要保護性の中核的要素をなすものとされています。
犯罪的危険性の有無・程度を判断する際には,多くの要素を総合的に考慮することになりますが,非行事実の態様,結果,原因・動機,非行歴・保護処分歴の有無,保護者の有無及び保護能力は,実務上,最も重視される要素といえます。
3 矯正可能性とは
矯正可能性とは,保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性のことをいいます。
一般的には,少年は人格的に可塑性(少年は人格的に発展途上であり,適切な教育により更生することができること)に富んでいるとされているので,保護処分による矯正可能性が認められるといえます。
4 保護相当性とは
保護相当性とは,保護処分による保護が最も有効でかつ適切な処遇であることをいいます。
少年法は,少年審判の基本原理として,非行に及んだ少年に対し,できるだけ刑罰によらず,保護処分その他の教育的手段によって非行性の除去に努めなければならないという保護処分原則主義を採用しています。
したがって,保護相当性が否定されるのは,非行の内容が重大・悪質で,社会の法感情や被害感情等から刑事責任を問うのが相当な場合など例外的な場合に限定されることになります。
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