COLUMN

お知らせ

2018.06.24

刑事事件

贖罪寄付とは?

 

刑事事件を起こした人が,罪を償う気持ちを形にするために,一定の団体などに対して寄付をする「贖罪寄付」というものがあります。

 

本日は,この「贖罪寄付」について説明いたします。

 

 

1 贖罪寄付とは

 

贖罪寄付とは,被疑者・被告人が,反省の情を表すために,自己の財産を公私の団体に寄付することです。

 

 

2 贖罪寄付を受け付けている団体

 

寄付する団体に特に制約はなく,様々な団体があるので,通常は弁護人(弁護士)と相談して被疑者・被告人の意思で選定することになります。主な贖罪寄付の受付先としては,日本弁護士連合会(日弁連)・各弁護士会や法テラス,更生保護施設,薬物等依存者自助グループ,公益財団法人日弁連交通事故相談センターなどになります。

寄付されたお金は,例えば日弁連・各弁護士会ならば,法律援助事業基金に充当され,弁護士による法律援助を必要とする方々(犯罪被害者,子供,難民など)のために使用されることになります。

 

 

3 贖罪寄付の効果

 

贖罪寄付をすると証明書が発行されますので,その証明書を検察官や裁判所に提出します。そうすることで有利な情状として考慮され,刑事処分が軽くなることが考えられます。

ただし,単に贖罪寄付をしたという事実だけでは,有利な情状として考慮してもらえません。寄付に充てた金員の捻出方法や,当該寄付先を選んだ理由にも気を配るとともに,その他の情状事実(反省や再犯防止への取り組みなど)も必要となります。

また,贖罪寄付の効果は示談ほど大きくはないことに注意が必要です。被害者との示談は,被害回復につながるのに対し,贖罪寄付にはそのような側面がなく,あくまで被疑者・被告人の反省の情を表すものだからです。

 

 

4 贖罪寄付が有効な刑事事件

 

贖罪寄付は,どのような事件でも効果があるわけではありません。贖罪寄付に適した事件とは,以下のとおりになります。

 

①被害者のいない犯罪

薬物事件,道路交通法違反事件,贈収賄事件など(特に,犯罪によって得た利益がなお現存している場合には,その利益分を吐き出すことが重要です)

 

②被害者はいるが示談できない場合

被害者が特定されていない事件,被害者が亡くなっている事件など

 

③被害者に対する示談・被害弁償をしてもなお余りある資産がある場合

 

 

 



 

 

~葵綜合法律事務所について~

 

葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。

 

贖罪寄付に関することはもちろん,刑事事件・少年事件について何か弁護士にご相談したいことがございましたら,法律相談(初回無料)又は初回接見サービスをご利用ください。

 

 



 

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