COLUMN

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2019.01.04

刑事事件

逮捕罪とは?

 


 

岡山西警察署は,逮捕罪の疑いで,岡山市の男性を逮捕しました。逮捕容疑は,知人男性を10分間縄で縛ったというもの。

(上記事件は,フィクションです。)

 


 

本日は,上記事件をもとに,逮捕罪について簡単に説明いたします。

 

 

1 逮捕罪とは

 

逮捕罪とは,不法に人を逮捕する行為を内容とする犯罪です。

 

逮捕罪は,人の身体的自由,特に身体的移動・行動の自由を侵害する犯罪です。同じように人の身体的移動・行動の自由を侵害する犯罪として監禁罪(刑法第220条)というものがありますが,両者の違いは,人の身体に対する直接的な拘束か,間接的な拘束かによって区別されると考えられています。

 

 

2 逮捕罪が成立するための要件

 

逮捕罪が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。

 

①人を

②不法に逮捕したこと

 

各要件について少し説明しますと,

 

②の“不法に”とは,

特別な意味はなく,逮捕が一般に許容される場合も少なくないことから(私人による現行犯逮捕など),一般的な違法性の要件を確認したものになります。

 

②の“逮捕”とは,

人の身体を直接拘束して,場所的移動の自由を奪うことをいい,その手段,方法のいかんを問いません。

 

逮捕罪が成立するためには,移動の自由を拘束したと認められる程度の時間その拘束が継続する必要があり,瞬間的に自由を侵害したにすぎない場合には暴行罪にとどまることになります。判例は,わら縄で両足を縛り,約5分間制縛して引きずり回した行為について,逮捕罪の成立を認めています(大判昭7・2・29)。

 

今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,

 

①知人男性を

②縄で縛ることにより,約10分間,人の身体を直接拘束して,場所的移動の自由を奪った

 

このように①~②の要件にすべて当てはまるため,逮捕罪が成立すると考えられます。

 

 

3 逮捕罪の法定刑及び時効

 

逮捕罪の法定刑は,3月以上7年以下の懲役と定められています(刑法第220条)。

 

逮捕罪の公訴時効は,5年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第5号)。

 

 



 

 

~葵綜合法律事務所について~

 

葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。

 

逮捕罪に関することはもちろん,刑事事件・少年事件について何か弁護士にご相談したいことがございましたら,法律相談(初回無料)又は初回接見サービスをご利用ください。

 

 



 

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