COLUMN

お知らせ

2018.10.02

刑事事件

単純遺棄罪とは?

 


 

岡山市内に住む男性が,単純遺棄罪の疑いで逮捕されました。男性は,起居の不自由な老人を荷車に乗せて路傍に放置した疑いが持たれています。

(上記事件は,フィクションです。)

 


 

本日は,上記事件をもとに,単純遺棄罪について簡単に説明いたします。

 

 

1 遺棄罪とは

 

遺棄罪とは,要扶助者を移置・置き去りすることを内容とする犯罪です。

 

遺棄罪には,単純遺棄罪(刑法第217条),保護責任者遺棄等罪(刑法第218条),遺棄等致死傷罪(刑法第219条)があります。

 

 

2 単純遺棄罪が成立するための要件

 

単純遺棄罪が成立するための要件を簡単に説明すると,以下のとおりになります。

 

①老年,幼年,身体障害者又は疾病のために扶助を必要とする者を

②遺棄すること

 

各要件について少し説明しますと,

 

①の“扶助を必要とする”とは,

他人の扶助を得なければ,自ら日常生活を営む動作をすることが不可能又は著しく困難なことをいいます。

 

②の“遺棄”とは,

被遺棄者を場所的に移転させること(安全な場所から危険な場所,危険な場所から更に場所を移すこと)をいいます(「移置」,「狭義の遺棄」ともいいます。)。

 

これに対し,保護責任者遺棄等罪における“遺棄”は同じ漢字でありながらその意味は,上記「移置」のほか,被遺棄者を危険な場所に放置して立ち去る行為(「置去り」,「不作為の遺棄」ともいいます。)も含むとされています。

 

今回の事件を上記要件に当てはめて考えてみると,

①他人の扶助を得なければ,自ら日常生活を営む動作をすることが著しく困難な老人を

②危険な路傍に移転させた

 

このように①~②の要件にすべて当てはまるため,単純遺棄罪が成立すると考えられます。

 

 

3 単純遺棄罪の法定刑及び時効

 

単純遺棄罪の法定刑は,1年以下の懲役と定められています(刑法第217条)。

 

単純遺棄罪の公訴時効は,3年とされています(刑事訴訟法第250条第2項第6号)。

Copyright (C) 2018 はれのくに法律事務所 All Rights Reserved.