COLUMN
お知らせ
2018.10.14
少年事件
虞犯少年(ぐはんしょうねん)とは?
性格または環境に照らして,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をする虞(おそれ)があると認められる少年のことを「虞犯少年」といいます。
本日は,「虞犯少年」について説明いたします。
1 虞犯少年とは
虞犯少年とは,少年法に定められた「虞犯事由」のいずれか1つ以上に該当し,かつその性格又は環境に照らして,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をするおそれ,すなわち「虞犯性」のある少年のことをいいます。
少年法に定められた「虞犯事由」とは,
①保護者の正当な監督に服しない性癖のあること(少年法第3条第1項3号イ)
②正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと(同ロ)
③犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し,またはいかがわしい場所に出入りすること(同ハ)
④自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること(同ニ)
です。
そして,「虞犯性」とは,将来の犯罪・触法行為を行う可能性であり,犯罪的危険性という一種の評価概念とされています。したがって,虞犯性の判断の際には,知能・性格等の本人の問題点及び家庭,学校,職場,不良交友等の非行の誘因・抑止双方に関係する環境的要因等を総合的に検討するとされています。
最近の司法統計によると,虞犯事件の一般的保護事件全体に占める割合は,おおむね0.5%~1%で推移しています。
2 虞犯事件の特徴
虞犯事由そのものは犯罪ではなく,成人であれば処罰の対象にならない行為ですが,少年法は,虞犯少年を家庭裁判所の審判に付すこととしています。これは,未だ犯罪行為にまでは至っていないが不良な行為をしている少年を早期に発見して適切な保護を加えることにより,少年の健全な育成を図るとともに,犯罪の発生を未然に防止するためです。
保護・監護環境に重大な問題のある少年が,家出中の不良交友・問題行動等により補導されるといった事案が典型例であり,その帰住先等の環境調整の成否が家庭裁判所における処遇選択の分岐点となることも少なくありません。
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