COLUMN
お知らせ
2018.10.23
刑事事件
控訴とは?
刑事裁判にて,一審の判決に不服がある場合は,上級裁判所に控訴することができます。
本日は,刑事事件における控訴審について説明いたします。
目次
1 控訴とは
控訴とは,第1審の判決に対してその取消し・変更を求める不服申立てのことをいいます。
刑事事件の第1審判決には,地方裁判所による場合と簡易裁判所による場合がありますが,いずれも控訴審は高等裁判所が管轄します(裁判所法第16条第1号)。なお,民事事件では,第1審が簡易裁判所である場合,控訴審は地方裁判所が管轄する点で刑事事件と異なります。
控訴審は,原判決に瑕疵がある場合(控訴理由がある場合)には,原判決を破棄するとともに,差戻し,移送,自判のいずれかの判決をすることになります。
なお,現行刑事訴訟法の控訴審は,原則として,第1審判決当時の証拠のみに基づき原判決の当否を審査する「事後審査審制度」を採用していると考えれています。
2 控訴審の手続
控訴できるのは,第1審判決を言い渡した手続の当事者であった検察官及び被告人です(刑事訴訟法第351条第1項)。なお,原審における弁護人も,被告人のために控訴の申立てができます(同法第353条,第355条)。
刑事裁判の控訴の提起期間は,判決の言渡し日の翌日から14日間です(同法第373条,358条,374条)。期間内に高等裁判所宛ての控訴申立書を第1審裁判所に提出しなければなりません。
3 控訴理由について
控訴理由は,
⑴第1審における訴訟手続の法令違反
⑵事実の誤認
⑶法令の解釈適用の誤り
⑷量刑の不当
⑸再審請求事由の存在,判決後の刑の廃止・変更又は大赦
と定められています。
なお,法令違反のうち,以下の事由に該当する場合には,その事由が認められれば当然に原判決破棄の理由となります。このことを,「絶対的控訴理由」といいます。
ア法律に従って判決裁判所を構成しなかった
イ判決に関与できない裁判官が判決に関与した
ウ審判の公開に関する規定に違反した
エ不法に管轄又は管轄違いを認めた
オ不法に公訴を受理・棄却した
カ審判の請求を受けた事件について判決せず,または審判の請求を受けない事件について判決した
キ判決理由に不備や食い違いがあった
上記以外の訴訟手続の法令違反,法令の解釈適用の誤り,事実誤認については,その誤りが判決に影響を及ぼすことが明らかでなければ,控訴理由とすることができません。このことを「相対的控訴理由」といいます。
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