COLUMN

お知らせ

2018.12.23

少年事件

観護措置の要件とは?

 

少年事件において,事件が家庭裁判所に送致されると,裁判官が「観護措置」という措置を取る場合があります。

 

本日は,「観護措置」の要件について説明いたします(観護措置に関する一般的な説明はこちらをご覧ください。)。

 

 

1 観護措置とは

 

観護措置とは,家庭裁判所が調査,審判を行うために,少年の心情の安定を図りながら,その身柄を保全するとともに(少年の身柄の保全),緊急に少年の保護が必要である場合に終局決定に至るまでの間,暫定的に少年を保護する(少年の保護)ための措置であり,司法的性格と福祉的性格を有する措置といえます。

 

観護措置には,調査官観護と収容観護の2種類がありますが,以下,単に観護措置といえば,収容観護を指します。

 

 

2 観護措置の要件

 

観護措置の要件について,少年法は,「審判を行うため必要があるとき」という抽象的な規定しか定めていませんが(少年法第17条第1項),実務上は,以下の要件が必要であると考え,運用されています。

 

①事件の係属

②審判条件の具備

③審判に付すべき事由についての嫌疑の存在

④審判を行う蓋然性

⑤観護措置の必要性

 

実務上,⑤の観護措置の必要性に関する判断が問題となることが多いことから,観護措置の必要性についてもう少し詳しく説明いたします。

 

 

3 観護措置の必要性

 

観護措置の必要性については,そもそも観護措置の目的が,①審判・調査の出頭確保のための身柄拘束の必要性,②少年の保護,③少年鑑別所における心身鑑別の必要性にあると考えられていることから,これらの目的に応じて,以下のような要件が必要と考えられています。なお,以下の要件がすべて備わっている必要はなく,いずれか一つが認められれば足りるとされています。

 

⑴ 審判・調査・決定執行のための身柄拘束の必要性があること

 

具体的には,ⅰ)住所不定,ⅱ)罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある場合,ⅲ)逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある場合,ⅳ)終局決定の執行確保のための身柄拘束の必要性がある場合のいずれかに該当する必要があります。

 

 

⑵ 少年が緊急の保護を要する状態にあること

 

具体的には,ⅰ)家庭環境が劣悪で,家族から虐待され,又は悪影響を受けるおそれがある場合,ⅱ)自傷,自殺のおそれがある場合,ⅲ)暴走族や暴力団など反社会的集団の影響により,審判までに急速に非行性が進行するおそれのある場合などが考えられます。

 

 

⑶ 少年を収容して鑑別をする必要があること(心身鑑別の必要性)

 

心身鑑別の必要性とは,少年の更生に向けて,相応の心理検査や継続的な行動観察を踏まえて,その有する問題性全般について詳細な鑑別を行う必要性が高い場合をいうとされています。

Copyright (C) 2018 はれのくに法律事務所 All Rights Reserved.